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数千人が暮らす団地にある、小さな商店街

団地に行ってきた。

ポストに、「商店街 秋の縁日」のお知らせが入っていたのだ。出店の欄に、子どもゲームコーナー、アクセサリー、パンという文字を見つけ、娘が喜びそうなので行くことにした。

地図を確認し、自転車をこぐ。場所がいまいち分からなくて、周辺をぶらぶら。人通りのある方へこいでいくと、焼き鳥の匂いが鼻をついた。あっちか。煙が見える。いや、でもここ道じゃなくない?団地に入っちゃうけどいいの?ここに商店街なんてあるの?

自電車でさまよいながら着いたその商店街は、巨大団地の中にある商店街だった。

めっちゃびっくりした。団地の中に商店街?商店街って、駅に続くメイン通りにあるやつじゃないの?公道じゃないところにあるの?

それは団地の中にあることを除けば、紛れもなく商店街で。ケーキ屋、パン屋、食事処、整体院、郵便局、酒屋、保育園、学童、薬局…充実のラインナップ。公道からは全然見えない、団地の中の商店街。これよくある風景なの?私が知らなかっただけ?

全国にはシャッター通りになる商店街もあるというのに、団地のためだけの商店街が存在するとは!ALWAYS三丁目の夕日みたい!(見たことないけど)母の興奮をよそに、娘は「ママ、あの湯気、くさい」と焼き鳥の煙に顔をしかめていた。

自転車で来られる範囲にこんな巨大団地があったとは。駅と反対方向だから知らなかった。見渡す限りの棟、棟、棟。何棟あるのか。グーグルマップで見てみたら、その団地一体でざっと50棟はあった。縁日をやっていた商店街以外にも店のあるエリアが点在しており、八百屋、交番、眼科、内科、児童館、グラウンドまであった。数千人が固まって暮らしているんだから、団地と言うよりもはや町。そりゃ商店街もできる。最寄り駅まで徒歩40分くらいかかりそうな立地だから、みんな商店街で買い物するんだろう。

縁日では子どもたちも出店していて、手作りのビーズアクセサリーやおもちゃを売っていた。50円。100円。娘はアンパンマンの財布から100円玉を出して、竹串とカラーテープで作られたおもちゃを買った。こういうリアルお店やさんごっこをできるの、いい経験だろうな。

楽しくなって、焼き鳥でも買おうかなと思ったら、娘が「湯気くさいからおうち帰ろ」と言った。焼き鳥コーナーは煙いので近寄らせてもらえず。「ママ、ケーキ屋さん寄りたいな〜」「ダメ。くさいから。向こうあっち行って」滞在時間はわずか15分、買ったのはおもちゃとシャボン玉だけであった。


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