見出し画像

クレヨンしんちゃんを子どもに見せたくないのはなぜなのか

先日、ママ友と「自宅保育どうしているか」という話題になった。

「仕事したいときとか静かにさせたいときは、Amazon Primeで映画見せてるよ」と答えたところ「へぇ~!でもクレヨンしんちゃんとか見せたくないよね」と言われ、ちょっとした衝撃を受けたのでメモ。

子どものころ見られなかっためちゃイケ

思えば子どものころ、めちゃイケやロンハーはご法度であった。頭が悪くなるとか、下品だからダメなどと言われていた気がする。でも学校で話題になっていたし、どうして見てはいけないのか納得できなかった。

親にやられてイヤだった「この番組なら見ていい、この番組はダメ」という会話を私たちもするようになったんだなとしみじみする。

クレヨンしんちゃんは下品なシーンも多いから、見せたくない気持ちはわかる。ただ現実問題として、スーパーではチョコビが売られているし、しんちゃんのキャラグッズなども売っている。子どもが目にする機会が頻繁にあるので、Amazon Primeの画面でしんちゃんが表示されると「見たい!」となってしまうのだ。

しんちゃんはおしりを出してブリブリ言うし、すぐにお姉さんをナンパする。これはわたしも良しとは思っていない。4歳娘も、何度かしんちゃんをマネしておしりを出したことがある。

ただ、ここからが肝心だと思うのだ。うちははじめておしりブリブリをマネしたとき、こういう話をした。

「なんでおしりを出すの。お友達でおしり出している子いる?」

「いないけど、しんちゃんは出してる」

「それはテレビだからでしょ」

「なんでテレビは良いの?」

「テレビでやっていても、実際にやっちゃダメなことがあるの。そういうのを演出っていうの。おしりは大事な場所だから、人には見せないんだよ。みんなパンツはいてズボンはいているでしょう」

「うん。おしりとおまたは見せないってママいってるよね」

きれいなものばかり見せるのではなく、なにかNGな場面に出くわしたとき、なにがダメなのか、どうすればいいのか話し合う土壌をつくることが大事なのではないかと思う。なかなか面倒くさいけれど、今からやっておかないとこれが「当たり前」になることはない。

オカマってなに?言葉がつまる

正直、むずかしいこともある。「映画クレヨンしんちゃん アクション仮面VSハイグレ魔王」では、ハイグレ魔王が「あたし?オカマよ、オ・カ・マ」というシーンがあったのだが「オカマってなに?」と聞かれたときは言葉に詰まった。

「オカマっていうのは、男だけど女みたいなかっこうをしている人のことかな…いや、別に男でも女でも好きな服を着たらいいんだけど、昔はそれがダメなときがあって。今はオカマって言っちゃいけないんだよ」

「じゃあなんていうの?」

「え~…うーん、なんだろう、ジェンダーレス?べつに呼び方は決めなくていいんじゃない?その人のお名前を呼べばいいと思うよ。」

クレヨンしんちゃんは「ブリブリ王国の秘宝」「暗黒タマタマ大追跡」など、とにかくオカマがたくさん出てくるので、オカマの概念を説明するのにとても困った。今はオカマなんて言葉は死語で、それは単なる個性であり、なんでもいいと思うのだ。

でも昔は「オカマ」「オナベ」は立派な悪口だったし、それを普通に受け入れて使っていたので、時代は良い方向に変わってきたのかな。

意見交換ができる家庭にしたい

子どもが小さいうちは、おかあさんといっしょのような健全な番組で十分なのだけど、4歳娘はもうおかあさんといっしょを卒業しつつあり、ここからは「親が見せたくない番組」を見せる機会も増えると思う。

番組を見ているとき「これはなに?」「なんでこんなことやってるの?」「どういう意味?」と気軽に話せる家庭にしたくて、だからクレヨンしんちゃんのような、会話の余地がある番組は良い材料なのではないかと思う。見せっぱなしにできないのでラクではないけど、なんでなんで攻撃が得意な今のうちに、この土壌を作っておきたい。そのうち一緒に映画を見て感想を語り合えるようになりたい。宇宙とか恐竜とか興味を持ちそうな映画をすすめてみようかな…

クレヨンしんちゃんはOK、YouTubは基本NG

わが家はクレヨンしんちゃんは見せているが、YouTubeは基本NGとしている。ためになるYouTubeもあるけど、4歳娘が好んで見るのは、アンパンマンとかドキンちゃんの人形が出てきてごっこ遊びをしている動画や、おもちゃの紹介動画。素人が作っているからストーリーやキャラの個性もない。紹介されたおもちゃを欲しがってもめることもある。

これをダラダラ見ているのは良くないと判断し、基本的にはYouTubeは見せないようにしている。次々におすすめ動画が出てくる仕様も、4歳には中毒性が高い。

YouTubeを見るときは親が付き添って番組を選定するか、タイマーで時間を区切るなどルールを徹底するようにしている。

コンテンツがあふれる時代、どこまでフィルタリングできるか

子どもが自分で選べるようになるまではフィルタリングは必要だけど、コンテンツがあふれるこの時代に、フィルタリングはどこまで可能なのか悩む。

エルサゲートなど明らかに害のあるコンテンツは別として、親の志向で見てもいい、見てはダメを決めるのは傲慢な気もするし、良質なコンテンツを見逃すことにもなるかもしれない。

信頼できる友人たちとから良質なコンテンツをおすすめしてもらうなどして、子どもに紹介する番組の幅も増やしていけたらいいな。

みなさんもおすすめのコンテンツがあればぜひ教えてください。


おしまい。


いただいたサポートで子どもに絵本を買います!