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「女性は仕事が出来たとしても、出産してようやく一人前」という善意

上司に第一子妊娠を報告したら、こう言われました。

よかったね。女性は仕事が出来たとしても、出産してようやく一人前だからね。しっかり務めを果たしてきなさい。

これ私の実体験なのですが、友人に話すとだいたいこんな反応です。

「すごいマタハラだね…」
「これだからオヤジは…」

言われた当時の私は、大企業に出向中。「マタハラでも何でもいいからちょっと声抑えてくんないかな?!すぐそばに先輩たちいるじゃん!」と焦っていました。3つ上と5つ上の先輩が、すぐ近くで仕事をしています。彼女たちは大企業でバリバリ活躍する仕事の出来る人でしたが、未婚でした。

結婚するのも自由。
出産するのも自由。
産みたくても産めない人もいるし、さまざまな事情がある。
それを私たちは知っています。
だから、不用意にこのような発言はしません。

でも、少し上の世代になると、当たり前のように結婚して当たり前のように産む、そういう価値観なんですよね。
結婚して、子どもがいて、幸せ。周りの人にもそうなってほしい。
だから結婚や出産をすすめるし、それをしないのはワガママだと。

見ている世界が違うんですね。

善意から応援してくれていた上司

最近、びっくりしたことがあります。

育休中に友人のお宅にお邪魔したときです。友人のお父様が「今は出産しても仕事を続ける女性が多いね。そういう人はあなたの職場にも多いの?」と声をかけてくれました。

「職場にはあまりいないですね。上司から女は子どもを産んで一人前だと言われましたけど、当時の職場にママはいませんでした。」

「それは素晴らしい上司だね」

「?!」

お父様曰く、子どもは女性にしか産めないから、女性の大仕事を認めて快く送り出してくれる上司は素晴らしいんだそう。


ほほう…おじさまたちはそういう世界線なのか…あれはマジで善意からの発言だったんだな…まぁあの上司豪快だしね…。


前提が違いすぎて、素晴らしい上司だという視点は全くなかったので、びっくりしました。いい人なのにこんなこと言うんだな~と当時は思っていたので。

結局人は自分の置かれた環境や経験をもとにした発言が多くなってしまうし、これはこの上司に限らず多くの人に言えることです。もちろん私も含めて。


相手の環境によって発言の受け取り方が真逆になることもある。これは肝に銘じておかないと、善意から大事な人を傷つけてしまうかもしれないし、
好きな人から距離を置かれてしまうかもしれません。

相手によって言葉を使い分けることを意識する

私たちは仕事やプライベートかかわらず、誰かと関係をつくるとき「なにをどう伝えるか」なんとなく意識していると思います。

たとえば、上司と話すときはこういう言い回しがいいかなとか、親に仕事を辞めることを報告するときは心配しないように伝えたほうがいいなとか。

でも、いつも相手の背景を意識できるわけではなく、丁寧さに欠けることもあります。部下や子どもなど力関係でこちらが上な場合や、夫や兄弟など「わかってくれて当たり前」と甘えが出る場合です。

私も夫に対して言葉をはしょってしまうことが多く「なんでわかってくれないの!!!」と思うことが頻繁にあります。でも上司に対してはこんなコミュニケーションの仕方はしないんです。甘えまくってるんですよね。

相手が誰であろうと尊重し、背景を意識して発言する癖をつけていきたいと思いました。


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