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「2時間」のマーケティング

子どもがいると、土日などは半ば無理やり公園に連れて行かされることもあるだろう。こちらとしては、公園に行っても見守るだけなので、子供たちにはそこそこ遊んでいただいて、とっとと家に引きこもりたいところであるが、彼らは、ブランコ・滑り台・砂場があれば、何時間でも遊べる。
YouTubeやツイッター(X)などSNSで時間を溶かす我々大人からは想像できない彼らの体力・創造性はうらやましいばかりである。

たまには違う雰囲気の場所で遊んでいただこう、と、労働の対価として得られるお給金を片手に遊園地などに連れていくわけで、つい先日、おしゃれ玩具メーカーの大御所であるボーネルンドが運営するPlayVille(プレイヴィル)とやらに行ってきた。

子連れ家族であれば聞いたことはあるかもしれないが、ショッピングモールなどにある屋内の遊び場の少し大きく、かつ屋外でも遊べるバージョンである。

おしゃれ玩具メーカーが作った遊び場ということで、子供が楽しめることに全力を尽くしている。アスレチックのような遊び場はもちろん、お絵かき、おままごとなど様々な遊び場が設計され、性別・年齢・趣味・嗜好を問わず、子供が夢中になれる施設なのだ。

当然、それなりの料金体系である。

大体、このような遊び場は、
・30分〇〇円 + 延長〇〇円
・時間無制限フリーパス
のカラオケのような2パターンの体系で設定され、
どちらを選ぶかはご家庭次第というわけだ。

あそびマーレ、ファンタジーキッズリゾート、ピュアハートキッズランドなど同様の屋内キッズスペースがあるが、

たいてい、損益分岐点は2時間で設定されている。

すなわち、2時間を超える場合はフリーパスの方がお得というわけだ。
(地区・店舗により料金体系は異なるので一括りでは語れないが)

この2時間という設定は絶妙である。

私も偉そうなことは言えないが、とある日用品メーカーでベビー用品の価格決定に関する業務(直接決定するわけではない)などを経験したことがあるため、運営側の苦悩はうっすらと理解できる。

幾度にもわたる消費者調査、幼稚園、保育所(園)といった教育機関・子供たち・両親へのアンケート、ときには実際に遊び場を見学してみたり、など膨大な調査時間を費やして設定したのが2時間なのだ。

そして、私自身の3人の子どもとの遊びを通じて得られた経験であるが、
2時間はギリギリである。

もうちょっと遊んでもいいかな~・・・でも疲れたな~・・・

くらいのイイ感じの疲れ具合なのだ。

これは各ご家庭のお子様の体調などによってズレはあるかもしれないが、
それなりの規模の玩具メーカーの緻密な試算で、
8割方の子どもが2時間が「もっと遊びたい」と「もう疲れた」のハザマであることが試算されているのだ。

まぁ子供にとってはそんなことはどうでもいいかもしれない。
好きに遊んでくれればそれでいいし、フリーパスにするか時間制にするかは各ご家庭の方針になるのだろう。

ちなみに私は、ダラダラ同じところで遊んでも仕方がないので、時間を決めて遊ばせる派閥である。
(フリーパスは高い・・・( ;∀;))











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