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誰かの目的地になる場所を作りたい -『山の上のパン屋に人が集まるわけ』を読んで-


先日発売された新刊『山の上のパン屋に人が集まるわけ』を読みました!

いつか行ってみたいと思っている長野県の山の上にあるパンと日用品の店「わざわざ」。この本には代表の平田さんのこれまでと、1人の主婦の小商いが年商3億円の会社になるまでの経過が書かれています。



わたしもこれから人が訪れる場を作りたいと思っているので、参考にしたい考えにたくさん触れることができました。自分の備忘録も兼ねて、印象に残った考えを3つピックアップしたいと思います。
(長くなったので、興味のある方はお付き合いいただけると嬉しいです☺️)


①アクセスの悪い場所でも、来る目的があれば人はやってくる


「わざわざ」は平田さんが景色に一目惚れした長野県東御市の山の上にあります。

まず冒頭に書かれている

「いろんな人がこの場所に来る理由をつくるために、ここでお店を開こうと思ったのです。」


という言葉がとても印象的でした。

自分が一目惚れした景色をたくさんの人に見てほしい、そのために美味しいパンのお店を始めたらそこを目的地に人が来てくれるのではないかと思って始めたそうです。

都会だと通りすがりの人がふらっとお店に来る可能性はあるけれども、山の上だと「自分が仕掛けなければ何も起こらない」。お客さんに「来ていただく努力を重ねる」ことが欠かせないと、ブログやSNSの発信を継続されてきたとのこと。

わたしがこれからお店を始めたいなと思っている場所も、だいぶ隠れ家的なところにあるので、偶然通る可能性はほとんどないんじゃないかなと思います。わたしもこの物件がなければ、こんな面白いまちがあるなんて知らなかった!

お店のことを知ってわざわざ足を運んでくれる人がいたら嬉しいし、運んでもらわないと事業は継続できないので、わたしも魅力的な場所を作っていきたいし、努力を重ねていきたいなと思いました☺️

②自分の健康があってこそお客さんの幸せを追求できる


「わざわざ」は当初移動販売のパン屋からスタート。パン屋は薄利多売、長時間労働など課題が多い業界だそうです。自分自身もお店でパンを買う時に、原料の価格が高騰してるから仕方ないと思いつつも少し高いなと感じることがあります。

ひとつのパンが作られて、お客さんの手元に渡るまでには、原料にかかるお金はもちろん人件費、光熱費、工房や店舗の家賃、機材の購入・メンテナンス費用など見えないところでたくさんの経費がかかっています。質の高さと金額の安さを同時に求めると、作り手の対価に見合わないことになってしまう。重労働をしても、あまり儲からない構造になってしまうんだろうなと🥺

平田さん自身が過労で倒れてしまった経験から、「わざわざ」では心を犠牲にしてまで守るべき「ふつう」なんてないと考えるようになったそうです。パンの種類を減らしたり、深夜から稼働しなくていいように商品開発をしたりと改善のための努力がすごい…!!

消費者側の経済的な事情もあるかもしれないけど、安くて質のいいサービスを当たり前に求め続けることは、誰かにしわ寄せがいってしまうことになります。

身近なところでいくと野菜もそうなのかなと。家計的には安いに越したことはないけれど、農家さんは手間暇かけて休みなく力仕事をして野菜を生産しても市場では安く売られてしまう。天候によって生産量(=生活)が左右されるリスクも抱えている。
買う側にもいろんな事情があるとは思うけど、作り手が尊重される社会になるといいなと思います。作り手のみなさんありがとう。

そしてお客さんはもちろん大切だけど、継続するためにもまずは自分を大切にしたい
作る人も売る人も買う人も、三方よしな商売ができるといいなと思います。


③「誰に」売るのか、お店のポリシーを明確にする

この本では「どこで」「何を」「誰に」売るのかについて触れています。

「誰に」の部分で、「わざわざ」がテレビ取材を受けた時のエピソードが書かれていました。放送前に丁寧な打ち合わせを重ねていたにも関わらず、実際の番組は意向と異なるものになっていて、全国からお客さんが殺到してお店がパニックになったそうです。

「遠方から来たのに」とクレームが入ることもあったそうで、苦渋の決断で「そんなお客様には来ていただかなくてけっこうです」とSNSで発信されたとのこと。批判されるのは確実だろうし、お客さんが離れてしまうかもしれず、とてつもなく勇気のいることだったろうなと思います。

本文にある

「どんな業界でも、お店がお客様に「NO」と言えることがふつうになればいいな」 

という言葉が印象的でした。
お客さんがお店を選べるように、お店もお客さんを選べるようになったらいいなと。
お店を守るためにも、どんなお客さんを大切にしたいかなど、お店のポリシーを明確にすることも時には大切なんだなと学びました🥺

最後に

この本から学べることがたくさんあって、興味がある方はぜひ手に取ってみてほしいです!

わたしはこれから自分で場を作っていこうとしている立場なので、とても身に染みました。タイトルに書きましたが、誰かの目的地になる場所をこれから作っていきたいと思います。思いに共感してくれたり、自分がいいと思うものをいいと思ってくれる人に届くといいな ☺︎

お店や商売をしている人たちみんなすごいし、本当にリスペクトしています☺️
わたしは経営なんてこれっぽっちも知らないので手探りですが、自分たちなりに少しずつ動いていきたいです。
まずはお店のコンセプトから悩んでるので、今月中に詰めれるといいな〜というところ!
素人がお店を始める等身大の様子も記事にしていけるといいなと思っています🙋‍♀️

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