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憧れの生き方 | 読書記録

こんにちは、はるきゃべつです。

私の読書欲はムラがあるのですがここ最近、再熱しています。
色んなことを知りたい欲が爆発しているみたいです。
まあそれはともかく、今回読んで良かった本。


染色家であり、アーティストとして様々な作品をこの世に残した柚木沙弥郎さんを長年取材してきた熱田千鶴さんが書いたこの本。

今年の1月に101歳で天寿を全うされた柚木さんを惜しんでこの本を手に取りました。
柚木さんの展覧会を何度か見に行ったのですが、作品の色づかいやデザインがとてもポップで若々しい。しかもその展示会のときには既に100歳前後のお年。

そんないくつになっても意欲的にものづくりを続けている柚木さんのことばの本、読むしかないでしょう、私。


内容の前にまず本のデザインが素敵。
私は装丁デザインやページをめくる感覚が好みかどうかでその本を買いたい欲がずいぶん変化します。

スカッと鮮やかな水色にツルが映えるカバー。
紙の質感もノンブル(ページ番号)のデザインも本全体にこだわりが見えて大事にしようと思わせてくれる本です。


内容は当時98歳の柚木さんが思う、年齢との付き合い方や仕事の仕方、今後やりたいことなどから始まります。

その後、民藝や旅、暮らしの話など様々な柚木さんが見てきたものや影響を受けたもの、感じたことなどが綴られています。
他にも熱田さんとの何気ない会話や作品の写真など、どこをとっても柔らかい空気感を感じることができました。

そしてこの本には、迷っている時や日常に疲れてしまった時に思い出すと、背中を押してもらえることば。生きるうえで心の片隅に大切に置いておきたいことばの数々が綴られていて、自分の心の内を改めて見つめ直してみようと思いました。

現代はみんな忙しすぎて生活の実感がないよね。ふと見た夕日が美しいとか、いつもの景色がちょっと違う、そんなふうに感じる心、生活の積み重ねで、感じ取るセンスは磨かれていく。もし感じなくなったら旅に出てみる。
環境を変えて取り戻すといいですよ

柚木沙弥郎のことばp.94より


年を重ねることでできなくなって行くことを受け入れてプラスに置き換え、変化させながら今を生きる。そんな柚木さんの考え方が素敵で憧れます。

私も年を取っても、自然に楽しみながらものをつくっていきたいなぁ。


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