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小劇場の役者って特権階級かと思った話
私は観劇に行った際、なるべく感想を書くようにしている。感想なので良いところも悪いところも書く。
ある時見に行った舞台の感想をTwitterにアップしたところ出演者から
「僕が有名になって欲しいと思うなら、感想を書き直してください」
と個人LINEに送られてきた。
以降その人が出る舞台は観に行かない事に決めた。
小劇場の役者はお客さんと距離が近い。
SNS上で普通にお話し出来るし、お見送りでも直接感想を言ったりできるし。
友人ではない。かといって仕事先ではない。他にない独自な関係が仕上がっていると思う。
観客は面白いものが観たい。役者さんは良いものを観せたい。相互的に支え合っている関係だと思う。
だが、観客からしたら「面白くない」とされる時だって必ずある。
劇団四季の「エビータ」。女の強かな人生の話、生き様がカッコいいと思えたから大好きだけど、知り合いは「話分からなすぎて寝た」と。日本の劇団の王と言っても過言でなく、確実な見せる技術を持ち合わせていても、人によって批評が分かれる。
私は自分の感想を言ったにすぎない。
「書き直せ」の理由は「有名になりたい」
私も役者だ。この発言は観にきてくれて居るお客さんを糧としか見ていない発言だと捉えた。
小劇場の役者と観客は近い。
近いからこそ、発言には気をつける。小劇場の役者に付くのは「ファン」であり、想いを持った「人間」。
お芝居の感想は観客の善意で書かれるし、それを見ることが役者の励みともなると知っているから書かれる。
「有名になりたい」という役者さんの願望。
立派な思いであることは分かる。
だが、感想書く書かないは観客が決める。
演劇は画面外であれ観客が存在する事で成立する。
どういう感想を持つかも、演じた以上は観客に渡される。
役者に協力するかどうかの選択肢は観客が持ってる。
協力して欲しいと思うならそれなりの手段を取るべきだし、それなりの振る舞いもあるはず。
人を糧にしたいならそれ相応の魅力を見せろ。
小劇場役者と観客の距離が近いからこそ役者の人間性が見える。「役者」としての技量より、「人間」としての不誠実さが勝つようであっては「有名」になる道はまだまだ遠いと思える。
2021・2・7
ハリーかく
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