それ半導体のおかげです:入門 1-02ウェーハ、基板、wafer
半導体工場の建設について、新聞やニュースでよく取り上げられています。その記事の中では。「ウェハ生産枚数が何千枚」と書いてあったりします。この「ウェハ」について、エンジニアの頑張りを見てみましょう。
みなさんは、お菓子の「ウェハース」を、食べたことありますか?。おいしいですね。お菓子のウェハースは、チョコやクリームを「複数の薄い板」ではさんだものです。薄い板を英語で、ウェハ(wafer)と言います。ウェハース(wafers)は、その複数形です。半導体のウェハも、英語でwaferと書きます。同じ言葉です。ただし、半導体の製造工程で2枚を接合(重ね合わせてくっつける)しても、複数形で呼ぶことはありません。1枚のウェハと呼びます。(会社によっては異なるかもしれません)
半導体「ウェハ」は、半導体「基板」と呼ばれることもあります。呼び方が違うだけで同じものですし、私の周りでは、使い分けのルールは、特にありません。ただし、<1-01これ半導体です>で示した、緑色のプリント基板とは、まったくの別物です。プリント基板は、複数の半導体素子や電気部品を載せて、回路として組み立てるためのものです。注意して使い分けしてください。
半導体ウェハの大きさは、
1インチ(25.4mm)~約12インチ(300mm)の直径をもつ円板状
です。この半導体ウェハの表面の一部へ、金属をつけたりガラスを付けたりを繰り返して、入門前の記事で述べたような、さまざまな機能・能力を持つ半導体素子が作られています。
半導体素子は、求められる機能・能力によって、
大きさが、約0.01mm□~数十mm□
で、形成されます。
この大きさの半導体素子が、1枚のウェハの上に、
多いもので、数万個
作られます。その数万個は、まったく同じ能力を持っている必要が基本的に求められます。たとえ、半導体素子のひとつが大きくて、作成する数が少なくても、その面積の中のほんの少しでも壊れていたら、その大きな素子全体が不良品となってしまいます。
大きさの比較例を図1に示します。
半導体ウェハの上に作られる半導体素子を、
できるだけ不良品なく、数万個もの数を作る
ためには、どんな工夫が必要でしょうか?
代表的なものが、
平らであること、きれいであること
です。
この記事の見出し画像は、正月に撮影した、船一つ浮かんでいない、見渡す限りの水平線の写真です。半導体とは関係ないのになぜ水平線の写真?と思っている方が多いのではないでしょうか?。半導体ウェハの平らさを、水平線で例えると、視界にはいる約30kmの長さの範囲の高低差が1cm程度で、白い波があっても30kmの範囲に数個の状態に相当します。きれいさでいうと、小舟一つ、ブイひとつさえ浮かんでいない状態に相当します。さらに、しょっぱさ(塩分濃度)も全く同じです。そんなとてつもなく凪いだ海を、人の手で作っているのが、半導体の世界です。
半導体ウェハは、数万個の半導体素子を作るために、とっても平らで、すごくきれいなのです。さて、エンジニアのみなさんは、どれくらいの工夫をしているのか、特許の件数でみてみたいと思います。
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