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インスタグラムで発信活動を始めて衝撃的だったこと

#思い込みが変わったこと

こんにちは。

インスタグラムでニセ科学、トンデモ科学、疑似科学について発信している、はろと言います。

ニセ科学、トンデモ科学、疑似科学など色んな言い方がありますが、これらは「科学を装っているけど、実は科学ではないもの」を指します。

この中ではトンデモ科学という言い方が好きです。トンデモ、と言いたくなるようなとんでもないものが世の中にいっぱいあるからです。

今回はそんなトンデモ科学についてのお話。

トンデモ科学との出会い


昔から水素水だとかマイナスイオンだとか胡散臭い商品がまん延していたのはもちろん知っていて、そういう商品たちがある程度社会的な地位を築いてるのも知っています。

こういうのって、ある程度「科学っぽい」ツラをしているので、信じるのもまあ分かります。

でも、ある時、これらとは比にならないくらいの強烈なトンデモ科学に出会いました。

それが「経皮毒」です。

経皮毒というのは造語で学術用語ではないのですが、「皮膚を通して吸収される毒」のこととされています。

何が強烈かっていうと、経皮毒を主張している人たちは
「おむつのポリマーが股間から体に吸収される」
って言ってるんです。

最初は何かの冗談かな、きっとネタで言ってるんだろうと思いました。

だってポリマーですよ?

皮膚を通るわけないじゃん。

っていうのが我々科学者の常識。


こういうことをマジメに信じる人なんて存在しないと思い込んでました。

でもどうやらそうじゃないみたい。

インスタグラムの投稿を「経皮毒」で検索すると2.7万件出てきて、1000~2000いいねついているものもあります。

「経皮毒」が怖い!と言って投稿してる人たちは嘘だと分かっててやってる人もいると思います。(そうだと思いたい)

ですが、本気で言ってそうな人もちらほらいます。

さらに、こういう投稿をしている人たちのフォロワー数は1万~3万程度であることが多く、その方々が経皮毒を信じていることに驚きを隠せません。(コメント欄が恐ろしい状態…)

皮膚はそんな簡単に物質を通すものじゃないし、体内に蓄積されるものでもありません。

経皮毒について

経皮毒はおむつやシャンプーなど色々なもので利用されている便利ワードですが、ここではおむつについて説明します。
※シャンプーについては私のインスタグラムの投稿「トンデモ科学を論破するPart6〜経皮毒〜」を参照ください。

物質というのは、分子量が大きいと皮膚に通りにくく、分子量が小さいと通りやすくなります。分子量というのは、物質の大きさみたいなものです。

ポリマーというのは、日本語で高分子といい、その名の通り分子量は大きくなります。

分子量(分子の大きさみたいなもの)が500以上の分子は皮膚を透過しにくいという経験則があり、高分子の分子量は小さいもので数千、大きいもので数万~数十万に上ります。

つまり高分子は基準となる500という値の数倍~数十倍大きいんです。

皮膚をザルの網目とするなら、ザルの網目よりも大きいものが通るはずがないですよね。

さらに、おむつに使われているポリマーは下の図のようにひも状になっているのではなく、「架橋剤」と呼ばれる物質で繋がっていて塊状態になってます。

こんなものがするする皮膚を通るわけがありません。

さらに、おしりとポリマーの間には表面材と吸水紙があって、ポリマーと皮膚は距離があります。ポリマーが空間を飛んでいくとでも言うのでしょうか?

このように、皮膚をポリマーが透過するというのは明らかにおかしいということが分かります。

化学を学んだ人なら、「ポリマーが皮膚を通る」と聞いただけで、そんなわけないやろと思うはずです。

でも実際は、「経皮毒」を信じている人がたくさんいる。

インスタで投稿を始めてそのことに驚愕しました。

そして何より許せないのが、こういうデマを利用して儲けてる輩たち。

皮膚からポリマーが吸収されるから危険!
うちの商品を買いましょう!と煽ってます。

こういう一種の詐欺に腹を立てながらインスタで科学についての投稿をしています。

興味のある方はぜひインスタグラムも覗いてみてください。

おわり

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