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デュアルキャリア推進「ともに働き、ともに育てる」ために(企業編1)

~ともに働き、ともに育てる~未来の職場づくり

 政府は3月末、少子化対策の「たたき台」として、「共働き・共育て」を掲げました。

 日本の少子化の大きな要因の一つは、育児負担が女性に偏る「ワンオペ」です。女性の家事育児への負担を減らさない限り、少子化の解決はできません。

 仕事と生活の両立をめぐる現状(令和2年)では、第1子を産んでも辞めない女性はほぼ目標に達していると言われています。ただ、育児休業後復帰はするけれども実際は、下の右のグラフにあるように「両立の難しさで辞めた」が一番大きな退職理由で、41.5%となっています。
 「同僚に迷惑をかけすぎるので申し訳ない」や「自分の気力と体力がもたなかった」という言う理由で退職されるケースも目立ちます。

 これは、育児だけでなく、介護やご自身の病気にも当てはまる問題です

仕事と生活の両立をめぐる現状
資料出所:国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査(夫婦調査)」
資料出所:株式会社日本能率協会総合研究所 『令和2年度仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業 報告書』

少子高齢化が進む中、仕事と生活の両立は、実は女性の離職防止の問題ではなく、働く人すべての働きやすさと働きがいを高めるための問題なのです。

「とも育て」の第一歩は男性育休推進

 そこで、政府が「共育て」の第一歩と位置付けたのが、男性の育休推進です。令和4年度の男性育休取得率は17.13%と大幅に増加しましたが、まだまだ政府が掲げる25年に50%、30年に85%とする目標には届きません。

  男性の育児休業取得に当たっての課題について、東京都の調査によると事業所、従業員とも「代替要員の確保が困難」が最も多くなっています。
 「男性自身が育児休業を取る意識がない」というのは、収入が減ることと将来のキャリアへの影響を考えて不安になり、躊躇してしまうからです。

男性自身が取得を躊躇する訳

 そのため、政府は出生後の一定期間は手取りの実質10割を保障する仕組みをつくることを検討しています。また、業務が増えるまわりの社員に手当を出すなどの中小企業には、助成も強化する予定です。

男性育休は企業を変革させる大きなチャンス

 令和5年4月からの従業員1000人以上の会社の育休取得率公表が義務になりました。
 男性育休取得率は、投資家や社会だけでなく、従業員が企業を選ぶ際の評価指標になっています。
 男性育休の推進は、企業を変革させる大きなチャンスです。従業員が家庭と仕事のバランスを取ることができれば、モチベーションが向上し、生産性や創造性が高まります。男性が育児に参加することで、企業内のコミュニケーションや協力が深まり、新しい視点やアイディアが生まれやすくなるでしょう。

男性育休を推進させるメリットとは

経営者にとって、男性の育休取得をサポートすることは、短期的には一部の課題を伴うかもしれませんが、中長期的には企業の競争力向上や持続可能な成長をサポートする重要な要素となります。具体的なメリットは以下の通りです。

  1. 労働市場の競争力向上

    • 男性育休の制度が整っている企業は、労働者から先進的な企業としてのイメージを持たれやすい。これは特に若い世代や女性からの評価が高まる可能性があり、リクルーティングの際に有利に働く。

  2. 人出不足の緩和

    • 男性も育休を取る文化が確立すると、一時的な人出不足は避けられないかもしれませんが、中長期的には従業員のモチベーションが上がり、病欠や離職率の減少が期待できます。

  3. ダイバーシティとイノベーション

    • 男性が家庭での役割を果たすことで、男女間の役割分担や価値観が多様化します。このダイバーシティが企業文化にも影響を及ぼし、新しい視点やアイディアの増加が期待できます。

  4. 従業員のモチベーション向上

    • 男性育休の取得が一般的になると、家庭と仕事の両立が容易になります。これにより、仕事の質や生産性が向上する可能性があります。

  5. 企業文化の改善

    • 男性が育休を取ることで、企業全体のワークライフバランスの文化が育成される。これにより、全体としての労働時間の適正化や、生産性の向上が期待される。

  6. 離職率の低下

    • 育休をサポートする企業は、従業員のロイヤルティが高まりやすい。長期的には、トレーニングや育成にかかるコストを節約できる可能性があります。

デュアルキャリア・カップル推進

 「デュアルキャリア・カップル」とは、ただともに働くだけでなく、それぞれがキャリアを自律的に考えて形成し、仕事においても家庭においても充実した生活を実現する夫婦のことをいいます。

 公益財団法人21世紀職業財団の「~ともにキャリアを形成するために~子どものいるミレニアム世代夫婦のキャリア意識に関する調査研究(概要)2022年2月」によると、育児休業を「取得したことがある」男性では、デュアルキャリア志向者が47.8%と高く、育児休業等を取得したことがない男性とは10ポイント近く差があります。
 アンケート調査の中では、「あなたと配偶者はどのタイプをめざしていますか(*キャリアアップとは昇格・昇進することに加え、仕事の幅を広げたり、仕事のレベルを上げることを指します)」に対し、「お互い、キャリアアップをめざしていく」という回答をデュアルキャリア・カップル志向となづけています。

男性育休取得経験別 夫婦の目指すキャリアタイプ

ミレニアル世代の課題とデュアルキャリア支援

 ミレニアル世代26~40歳(1980年~1995年生まれ)とは、男女雇用均等法の第1回目の改正(1999年)後に就職し、次世代育成支援対策法(2005年)、男女雇用均等法の第2回目の改正(2007年)、「イクメン」普及後に、子育てをしている世代を言います。家庭科男女共修が1993年から中学校で、1994年から高等学校で開始となり、ミレニアル世代は全員、家庭科を男女共修しています。詳しくは(企業編2)こちらです。

夫婦の働き方・キャリア形成について話し合う

プロティアンフォーラム2023「ボドゲで語ろう♪パパ育児とママキャリア」

 互いの価値観や不安を話し合うサンゴクエストのボードゲームと心理的成功を目指すプロティアンキャリア理論を活用し、夫婦の共通のビジョンや戦略を考えることに役立っている事例をサンゴクエスト開発者の上原氏と育休ラボのパパメンバーがご紹介します。

プロティアンフォーラム2023

社会保険労務士法人ハーネスの支援サービス

 私たちは、男性の育休取得を通じて企業価値を最大化し、同時に個人の心理的成功を追求する新しい時代の働き方を提案します。

  • 管理職のためのダイバーシティ・マネジメント研修

  • 一般職のためのキャリア・デザイン研修

  • 仕事と育児のお悩み解消ワークショップ

  • 育児介護休業法改正セミナー

  • 柔軟な働き方支援(短時間勤務、週休3日制、スーパーフレックス制)

  • 女性活躍推進セミナー

  • 対話型ボードゲーム「サンゴクエスト」

  • 人的資本経営支援

  • 人的資本情報開示支援

  • ビジネスと人権対応支援

社会保険労務士法人ハーネスとは

 私たちのビジョンは、公平で多様性に富んだ職場を実現し、企業の持続的な成長と従業員一人ひとりの心理的成功を支援することです。
 心理的成功とは、職場での達成感や居場所を見つけること、そして家庭とのバランスを取りながら成果を出し続けることを意味します。
 私たちは、男性育休の取得という選択が、企業価値創造と従業員の心理的成功の双方を高める鍵となると確信しています。

社会保険労務士法人ハーネス

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