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日常の小さな幸せ

長い旅を終えて、家路へ戻る途中、いつも買ってるお菓子屋さんの前を通りかかった。

仕事が忙しかったときとか、ちょっと疲れたなというとき、訪れては購入し、心を幸せで満たしてくれたスイーツが並んでいる。

旅が長かったせいなんだろう、それが、自分自身を知る旅だったからなんだろう、「これを買って食べることを幸せだと思ってる私、可哀そうだな。」と思った。

作り手は、遥かかなたの外国へ渡り、このお菓子の作り方を学び、日本に帰って改良を重ねて、皆を幸せにするためにこのお菓子を作ってくれている。

皆を笑顔にするために。

確かに、私は毎回笑顔になった。

ただ、何かを買って食べて、そういう方法で幸せを感じている自分自身の普段の生活について、籠の鳥で可哀そうだな、と思った。

買って食べる、その単純な消費活動の中に見つける幸せ。

本当に自分が幸せを感じることは、もっと違うことだったのかもしれない。

いつの間にか、自分の世界が小さくなって、その中で小さな自分の幸せを見つけるしかないと思ってしまっていた。

そんな大したことをしたいワケじゃない、ただ、大好きなお菓子を見よう見まねで自分で作る時間が私にとっての幸せかもしれない、私の大切な人を笑顔にするために。

週末、意図的に時間を作り、材料を購入し、大好きなお菓子を作ってみる。

お菓子作りって、軽量している瞬間が一番面倒で、でも、ちょっとの分量違いがお菓子の出来を左右するので、気が抜けない。

正直、面倒くさいな・・・と思った。(笑)

でも、このお菓子を私は私の大切な人を笑顔にするために作るんだ、その大切な人たちは、彼らの周りの人を幸せにするんだ、そして、その人たちは世界を幸せにするんだ。

私は、愛を込めて世界を幸せにするお菓子を作る!

と心に決めて、無心で作ることにした。

初めて作るお菓子だから、上手くいくか分からなかったけど、とにかく世界を幸せにするお菓子が出来ることだけは、しっかりと決めた。(笑)

出来上がって、写真を撮り、このお菓子の材料となる一部を一緒に作った友達へ「あなたと一緒に作ったこれで、こんなお菓子を作ったよ~!」と連絡した。

そして、私の大切な人たちへお菓子を配りに出掛けた。

一緒に住む、大切な人には、「出来たよ~!」と声を掛け、一緒に味わった。

「美味しい!」「あなたに作ってもらったものが一番美味しい!」とその人は言った。(笑)

その夜。

お菓子を受け取った大切な人たちから、「すごい美味しかった!買ったみたい!また作って~~!」とメッセージが届いた。

喜んでもらえてよかった。

いつもと違う幸せが、私の中に満ちた瞬間だった。世界が幸せになったかは分からないけど、私たちの世界は確かに喜びで満ちていた。




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