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時空を超えて、あの時の私に謝って欲しいと彼に伝えた。

遠距離恋愛をしていた頃があった。

会いたい時に会えないというのは、もどかしいものだけど、この世界に彼が存在するという事実が私を救ってくれていた。

様々な行き違いがあり、私は彼に別れを告げた。これ以上、私の心は頑張れず、心のエネルギーが0ゼロになった時だった。

彼は単なる喧嘩の延長だと思っていたらしく、ちょこちょこと連絡が来て仲直りのタイミングを伺っているみたいだった。

申し訳ないけど、私達はもう恋人同士ではないからとやんわりと伝え、距離を取った。彼と一緒にいる間に失われた自分のエネルギーを満たすために、私は時間を使った。

何年くらい経ったのだろう。

未だに彼からぽつ~ん、ぽつ~んと連絡が来る。全部シカトだけど、これからの私の未来のために、彼と友達になった方が良いかもと急に思い、連絡を返し始めた。

何年も経つのに、君の事を想っているとか、平気で返してくるのが信じられなかったけど、ま、友達だからいっか、と思うことにした。

彼の自撮り写真が添付されたメッセージが送られてきた時、意識が時空を超えた世界へと飛んだ。

かつてこの人の事を想い、分かり合えずに苦しんだその想いが蘇ってきたのだ。

そして「彼にあの頃の事を謝ってほしい。でないと友達になれない。」と思った。

彼にそれを伝えると、何について謝るの?と返ってきた。

理由を説明するために、過去を振り返ると、かつての経験が再び私の心をいっぱいにした。

心がいっぱいになり過ぎて、涙が溢れてきた。

何で、私はあの頃、あんなに頑張ったんだろう、ただただ、自分自身を労わってあげたかった。誰にもわからなくても、私だけは、私の頑張りをちゃんと知っていた。

時空を超えて、私はあの頃の私に謝った。

ごめんね、あんなに頑張らせて。ごめんね、こんなに悲しかったのに無理させて、ごめんね、ごめんね。

思いきり泣いて、すっきりしようと思った。

泣いて、泣いて。

私がしたかったのは、彼に謝ってもらうことじゃなくて、もう二度と私にこんな思いはさせないと誓うことだと気が付いた。

やり残した事を終え、時空を超えて何かが完結した事を悟った。

自分に嘘をつかないこと、自分を心から大切にすることは、本当に世界を幸せにするんだと知った気がした。

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