2.単音を出す
クロマチックハーモニカ(以後クロモニカ)を入手したら、入門者の方ほど、まず吹いて音を出したくなると思います。が、まず手をしっかり洗い、ピカピカの新品クロモニカであっても消毒用エタノール、除菌成分入りのハーモニカ用クリーナー、口を拭けるウェットティッシュなどでしっかり除菌をおこないましょう。また、カイロなどでクロモニカを体温くらいに温めておくことをおすすめします。私は小動物用のパネルヒーターを使っています。
クロモニカをよく見ると、1から12まで、番号が刻まれています。16穴の場合は、「1」の左側にさらに1~4がもう1組あります。
この、数字がついている方を上にして両手で持ちます。
1~4が低音域、5~8が中音域、9~12が高音域、となります。
それではいよいよ音を出してみましょう。まず6番の穴を吹いてください。
いくつも音が出たりしていませんか?または、唇とクロモニカの間から息がもれてかよわい音になっていませんか?
口の開きが大きすぎたり、くわえ方が深すぎたり、もしくは位置がずれていると、6番だけでなく5番や7番の音も同時に鳴ってしまいます。ここで息を弱めると余分な音が聞こえなくなったりしますが、それはリードを振動させるに十分な空気が届かない結果として音が出なくなっただけであって、解決にはなりません。強い息で大きな音を出しても狙った音だけを鳴らせるようにしましょう。息を吹き続けながらクロモニカを少しずつ左手の方にずらしてみて、それでも音が混ざり続ける場合は複数の穴に息を吹き込んでいることが考えられます。
また、息がもれて無駄になるのもよくありません。ストローを使うときのような口のすぼめ方ではなく、唇をめくった内側の部分がクロモニカに触れるようにしっかりくわえましょう。
6番を吹いてきちんと音が出せると、「ミ」の音が鳴ります。ハーモニカは自分の目で見て確認できない楽器なので、お持ちの方はチューナーで確認してみるのもよいと思います。お持ちでない方は、メトロノームとチューナーの機能があるスマホの無料アプリがありますので使ってみてください。アルファベットで表示される場合は「E」が正解です。ピアノなどがある場合はピアノとクロモニカの音程が同じかどうか比べるのもアリです。
チューナーを使用して、「ド(C)」と出たら、6番でなく5番(もしくは4番)になっています。「ソ(G)」と出たら、7番になっています。「レ(D)」がチラチラ出るとか針がそちらに寄っている場合は、口腔内を狭くしすぎている可能性がありますので、舌を喉の方に寄せたり下顎を下げたりしてみてください。
6番のミをしっかり鳴らせたら、そのまま今度は息を吸ってみましょう。「ファ(F)」の音がきれいに出れば正解です。
このような、1つの音だけを出す練習は、「ド(C)」ではやらないでください。理由は、4番でも5番でも吹けば同じ「ド(C)」が出るからです。8番と9番もそうです。「ミ(E)」でなければ7番の「ソ(G)」にしてください。もしくは吸って出す音(レ ファ ラ シ)でも構いません。
練習が終わったら、練習前と同様にクロモニカをきれいに拭いてあげましょう。そして温かい息によって内部が結露しているので、少し放置して乾燥させてからケースにしまうようにしてください。
今回は説明しませんでしたが、吹き方には「パッカー奏法」と「タングブロック奏法」があります。こちらについて、次回説明したいと思います。
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