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朝ドラ『エール』ハーモニカアンサンブル楽器紹介

NHK朝ドラ『エール』でも大活躍のハーモニカ。

放送中の朝ドラ『エール』では主人公がハーモニカを吹いたり、劇中にハーモニカ倶楽部が登場しました。以下でドラマの中で使われていたハーモニカをご紹介します。

主人公が吹いているのは複音ハーモニカです。「福島ハーモニカ倶楽部」の演奏会では2パートあり両サイドに配置されていました。写真は標準配列のCとC♯ですが、ほかにもAm、F、Gなどがあり、基本的に演奏する曲によってハ長調ならC、イ短調ならAm、というように持ち替えたり、同時に複数本持って演奏したりします。軽めの息で音が出ます。写真で上下2段になっているのがわかると思いますが、わずかにピッチをずらした同じ音のリードがついていて、特別な奏法をする場合を除き上下同時に音を出します。

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主人公の友人が吹いていたのはバス・ハーモニカという低い音が出るタイプです。写真が用意できずすみません。「福島ハーモニカ倶楽部」の演奏会では前列中央に配置されていました。全ての音を息を吹いて出すつくりになっています。サイズが大きく、その分重さもあります。ドラマでは「技量が足りないからバス」のようないわれ方をしてしまいましたが、「バス」は「ベース」、つまり土台です。バスパートがしっかりしていないと安定感のあるアンサンブルはできないので、本来とても重要なパートなんです。

ハーモニカ倶楽部で使われていたもう一つのハーモニカはホルン・ハーモニカで、ソプラノとアルトがあります。こちらもすべて息を吹きこんで音を出します。「福島ハーモニカ倶楽部」の演奏会では中央に配置されていました。「アラゴネーズ」では主旋律のソロで魅惑の音色を披露していましたね。写真のとおり、ピアノの鍵盤のように並んでいますので音の配列がわかりやすいと思います。複音ハーモニカよりサイズも音量も大きめで、よく響き艶のある音色です。

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ほかにも、朝ドラには時代的に出てこなかった種類のハーモニカも紹介しきれないほどあります。とくにコード・ハーモニカの舞台はなんといってもアンサンブルです。

アンサンブルに限らずメジャーな2種類も紹介します。
10ホールズは1つの穴で「吹き」「吸い」の2種類の音が出ます。「ハープ」と呼ばれることもあります。歌手の方が歌の合間に吹いたりするのもたまに見かけますね。西部劇に出てくるのは大体このハーモニカではないでしょうか。複音ハーモニカのように、調によって持ち替えます。手で隠れてしまうほど小さな楽器ですが、パワフルな演奏も得意です。
私が専門としているのはクロマティック・ハーモニカです。レバーがあるのが特徴で、このレバーをつかうことで1つの穴で4種類の音を出すことができ、1オクターブ12音がわずか4つの穴に入っています。記事タイトル上の写真は右利き用の12穴タイプで、3オクターブ+1音あります。レバーが反対側についている左利き用もあります。モデルによっては複音や10ホールズのようにFやGなどもありますが、Cだけで全ての調の曲を演奏できます。

ハーモニカはほかの楽器と比べて音量が小さめなので、お部屋の中でも練習しやすいのがいいところです。それでも気になる方にはサイレンサーが付けられるものもありますので、おうち時間のすごし方のひとつに取り入れてみてはいかがでしょうか?

楽器も教本もインターネットで購入できますが、はじめて購入される場合はハーモニカ専門店など、ハーモニカに詳しいお店のサイトを利用されるのが安心ですね。独学にいきづまったらオンラインレッスンも探してみてください。

口をつける楽器なので、吹く前と吹いた後には除菌をしましょう。専用のクリーナーもありますし、口を拭けるウェットティッシュでも大丈夫です。

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