「てめぇ、本当に人間のクズだな」と言われてから学んだこと
「てめぇ、本当に人間のクズだな」
前職をやめる間際に言われたことです。なぜ急にこの話をするかというと、今年を振り返っていて、今までと一番変わったことはこの言葉にまつわることだと思ったからです。
この話を振り返って2021年を締め、2022年に向けて動いていきたいと思います。
今年、変化を実感したこと。
今年は、新ブランドt to(ティートゥー)を立ち上げて人生で初めて取材を受けるなど、とても貴重な経験ができた一年でした。そんな一年を振り返って一番強く感じることは、「大きな協力をして頂けた」という事です。
単に「協力を得ることが出来た」のではなく、「知り合いに紹介してもらう」ことがとても多かったです。
知り合いの記者さんやバイヤーさん、プロデューサーさんなどをご紹介して頂いたり、t to(ティートゥー)をご購入いただいた方が知り合いにご紹介して頂くなど、輪がどんどん広がっていった気がします。
「知り合いに紹介する」という事を考えたときに一定の信頼がないと起こらないし、その後の打ち合わせもスムーズに話が進むという事を考えると、非常に大きなご協力を頂けた一年だったと思います。
ですが、前職では「てめぇ、本当に人間のクズだな!」と言われるほど信頼を失っていました。
ただ、その経験があったからこそ自分を見つめ直して何が悪かったかを反省し、家業と向き合うことが出来ました。
協力してもらえない人
「協力してくれたっていいやん」
前職を辞める前、私はずっとこのように思っていました。同じ会社なんだから協力してくれるのは当たり前、お願いすれば何とかしてくれる。
今思い返せば赤ちゃんのように、常に周囲に協力を要請する存在になっていました。
内定者のときから同期の中で一番期待されていて、仕事に対するモチベーションもすごく高かったのに、仕事の難易度も上がり苦手な分野の仕事が増え、結果を出せないどころか問題を起こしまくり、精神的に追い詰められていました。
それでも入社当時に期待されていたことで天狗になり、余計なプライドが邪魔をして素直になれず「俺が大変な状況なのはみんな分かっているから協力してくれるのは当たり前」だという態度が抜けませんでした。
もちろん仕事には全力で取り組んでなんとか切り抜けようとしますが、業務の特性上チームを動かす必要があったので、そんな状態の私が成果を出せるもなく、普通ならスムーズに終わる業務報告などすべてにおいて問題が起き、信頼が地の底まで落ちていきました。
また職場も特殊な状況(新卒4人、中途採用2人とマネージャーの計7人で鳥取県大山町に住む込みで新規事業開発)だったので、同僚も精神的に余裕がなくなっていました。そんなとき、私が問題を起こしながら笑って(この時はどんな精神状態なのかもよくわかっていません)報告した時に、一人の同僚がブチ切れました。
てめぇ、本当に人間のクズだな。
「てめぇ、本当に人間のクズだな」
(あー。。。そうなんかもなぁ。)
そう思いました。さすがに自分でも気が付いていました。迷惑しかかけていない。こんな自分の居場所はここにはもうないと、ある意味冷静にとらえていました。
この状況で仕事を続けることは出来ないと思い、退職することにしました。やめた直後は、心の中で同僚を責めてばかりでした。
しかし、次第に心に余裕が出来ると振り返ってみようと思うようになりました。絶対に何かがおかしい、どこからこんな状況になってしまったんだろう。。ボタンをかけ間違えているような気持ち悪さがありました。
当時は自分の行動を反省しようというよりも、次の職場では二度とこんな状況になりたくない、という一心でした。
いろんな本を読んだり、カウンセリングにも行きました。当時のLINEも見返してみました。心がえぐられる思いでしたが、読みかえすと当時から先輩や同僚は忠告してくれていました。
「そんな態度じゃ協力してもらえないよ」
何をやっても何を言っても反対の声しか起こらず、「なんで誰も分かってくれないんだ」「俺だってみんなのためにしてるのに」と思っていました。
入社当初はみんなが協力してくれていたからこそ、それにかまけて「協力してもらえるのが当たり前」「みんなのためにしているんだから感謝されて当たり前」と思うようになっていたことに気が付きました。
「こっちが良かれと思ってしたからって、お客さんからしたら関係ない。感謝してもらうことなんてない、してもらったら奇跡だと思って仕事しろ。」
業務でも良く言われていたことでした。表現は過激ですが、今思うとすごく大事なことを教えてもらったと思います。
自分は人のためにやっているんだから結果がどうあれ感謝されることが当たり前。そこに大きな勘違いがありました。
信頼してもらうには、こちらから信頼していることを示す。
前職をやめてから播磨屋茶舗の社員になりましたが、約2年ほど三重県の茶問屋さんで修行させてもらいました。当初は、父親(弊社社長)からの信頼もほとんどなく、むしろ心配されていたと思います。
だからこそ信頼を得るためにできることは何か、何をしたら喜んでもらえるかを考えて、自分がやりたいことは後回しで提案していきました。
この時は協力してもらうということよりも、まずは信頼してもらって自分の居場所を確保したい、という気持ちでいっぱいでした。
そこで前職時代から読んでいた「7つの習慣」を読み返したときに気になった章がありました。
「まず理解に徹し、そして理解される」
相手に理解してもらうには、まずこちらから相手を理解すること。これは信頼してもらうことにおいても同じだなと思いました。信頼されてないな、と思う人を心から信頼することなんてできないと思います。
そこで、チャンスがあれば播磨屋茶舗について質問しポジティブな反応を返すことで、会社のことを前向きにとらえているという姿勢を見せていきました。それもポーズでするのではなく、実際にそう考えることで次第に自分の行動が前向きに変わっていきました。
SNSやネットショップの運用など必要だと感じているけれど手が回っていないという事を聞けば、三重県にいても出来ると思い、取り組みました。
自分に出来ること、会社に必要なことを突き詰めて出来たのが「新ブランド立ち上げ」
そんなことを続けて2年間の修行期間が終わり、姫路で働くことになりました。この時も新規事業や自分がしたいこと、というよりも「社員のみんなに信頼してもらえることは何か」を考えて仕事しました。
現場の課題を解決できるスキルが備わっているわけではないので、この時もとにかく社員の皆さんを信頼しているという姿勢を見せることに徹しました。
そんなことを続けながら半年ほどして、いま自分が一番貢献できることは経営に戦略性をもたせることだと思いました。
社長は婿養子で、もともと別業界の工場で働いていたため、経営についてもお茶についても勉強する機会がありませんでした。そんな中でもなんとかして会社を維持していましたが、業績は下降気味で今後のビジョンもこれと言ってありませんでした。
私は経営学部だったこともあり、少なくとも経営学の知識は社長よりもあります。でも会社を良くしたいという想いはあります。そこで、自分がやりたいことをやるというよりも、まずは会社を一緒に立て直したいという想いを共有しながら会社についての議論を重ねました。
なので新ブランドの立ち上げについても、動機としてはSNS運用を始めた時と変わっていません。
「社長も私も今後を考えると必要だと感じている」けど、「社長は手を付けられない」、「私も経験がある訳ではないが、ふわっと知識はある」からです。
2022年に向けて
前職時代に大きな勘違いを正してもらえたからこそ、新ブランドを作ることができ、大きな協力を得ることが出来ました。周りを見ても、成功されている方は先義後利の精神が染みついているなと実感します。
2021年はたくさんの方に協力して頂けたので、恩返しはもちろんですが、何かお手伝いできることがあれば積極的に行っていきたいと思います。
そして、協力や応援してもらえる立場であることを当たり前を思わず、驕らないという事を心に刻んで過ごしたいと思います。
そんなことを大切にしながらt toをはじめ、事業でも多くの方のお役に立てるように様々なことにチャレンジしていきたいと思います。
皆様、2021年はお世話になりました。来年もどうかよろしくお願い致します。
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