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《絵本レビュー》おおきな きが ほしい

3月まで〝三寒四温〟という言葉が飛び交っていましたが、まだまだ続きそうですよね。

例えばそれは、私の健康習慣である朝のお散歩(公園)の中でも、暑くなってきましたが、日によっては寒いなぁ〜と感じるわけです。 

それにしても、もう小っちゃい小ちゃい虫たちがワンサカでてきて、草木も生い茂り、イチョウの木に半寄生しているヤドリギも今はイチョウの葉で隠れて見えません。春の勢いすご過ぎじゃろがいっ。

そして夏の足音が狂言の如く、ソロリソロリと聞こえてきます。幻聴でしょうか?

そんな今日は、幻聴ではなく1人の男の子が想像した話【 おおきなきがほしい 】の絵本レビューをしたいと思います。パチパチパチ。

※ちなみに今回の絵本は次女(7)の担任の先生から教えていただきました。

〔文〕佐藤さとる
〔絵〕村上勉
〔発行所〕偕成社
〔初版〕1971年1月

《ストーリーについて》

『おおきなおおきな木があるといいな。ねぇお母さん』

自宅には狭い小っぽけな庭に、小っぽけな木がたった3本しかなかったのです。

ですから主人公の男の子かおるは、大きな木が欲しくて、いろいろ考えながら想像します。

かおるが考えたその大きな木には、ハシゴや釣りカゴそれから、かおるの家やリスや鳥たちの家があります。
ついでに、その家の中での季節の過ごし方も考えて…

子どもの想像力の豊かさに圧倒され、ワクワクが伝わってくる物語です。

《10コの視点》

【キャラクター】
・かおる(男の子)
・かおるのお母さん
・かおるのお父さん
・かおるの妹(かよちゃん)
・りす
・カケス、ヤマガラ

【舞台】
・想像した木

【構成】
かおるは、大きな木が欲しくて想像する

その木にハシゴをかけたり、家をつくったりと、リアルに想像していく

あれやこれやと想像していたら、本気で欲しくなって大きな木の絵を描く

お父さんにその絵を見せながら、木を植えようと提案する

お父さんは快諾し〝マテバシイ(ドングリの木)〟という木を購入する。買ったのは、かおるの背の高さくらいしかない木。

一緒に植えて、楽しみにお世話する

【文】
かおるが大きな木を想像する中で、感じた五感がたくさん言語化されているので、まるで私自身が、かおるになっているような感覚になる。

それは例えば、文中の〝風がさっとふいてきて、かおるの髪の毛をそよがせます〟とか〝葉っぱもさわさわと音をたてるでしょう〟など。

【絵】
かおるが大きな木を想像している本文の数ページは、本自体を90度回転して読み進めることになる。
ページをめくるたびに、かおると一緒に木に登っているような感覚になる。

中性的な、まだ幼い顔立ちからは考えられない想像力があり、その想像したものが見事に可視化されている。

【イチオシ】
かおるくんは、建築家ですか?と聞きたくなるくらい緻密な想像設計とは裏腹に幼さが垣間見えるGAPをお見逃しなく!

【ハッピーエンド】
マテバシイ(ドングリの木)にジョウロで水をあげながら、大きく育つのを期待してハッピーエンド。

【表表紙・裏表紙】
表表紙/裏表紙に、かおるが木の枝に座り小鳥たちと話している様子が描かれている。そう、白雪姫状態である。

【見返し】
かおるが考えて描いたであろう、大きな木の設計図が描かれている。ココもぜひ見てほしい。

【題字の文字】
明朝体の太い書体。紫色は、想像力を表現しているのかな?

《読み聞かせをしてみて》

『きをそだてて いえを たてたいなぁ(7)』

『かおるくんの そうぞうの こうどうりょく すごいなぁ(9)』

『いやいや建築家やん、そんな子供いる?(母)』

結構、絵本にしては文字量が多くてですね最初は長女(9)に読んでもらい、次に私が読みきかせて…

そうすると、次女(7)も理解できたようで。理解ができると、とっても娘たちはワクワクして目を輝かせておりました。

《おしまいの言葉》

小学校の頃、木登りが流行っていて、わたしも冒険心を刺激され登るわけですけれども、花粉まみれになったトンダ思い出があります。

まぁ、妙な達成感と、そこから見える景色は最高だったんですけどね。

大人になると木に登りたい!な〜んて思わないですが、なぜ子どもの頃って男女問わず木に登りたいなって思うんでしょうね?(笑)

本能でしょうかね。
山登りと一緒の心理なのかな。

皆さんは小さい頃、木に登ったり登ることを想像したことはありますか?
この絵本を読んで、ふとそんな記憶が蘇りました。

木登りエピソードがあれば是非お聞かせくださいっ。



☆彡ティンカーベルの粉より多く花粉を浴びたコボシより 

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