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北ドイツ④北海に浮かぶ島 ランゲオーク

北ドイツの小さな街から、のんびりと船に乗って、北海の島を訪れた日のことを。
 
ドイツの北側の海域には、小さな島々がある。
その中の一つ、Langeoogランゲオークまで日帰り旅行をした。
 
ベンザジールBensersielまで車で出かけ、そこからは船に乗る。

島は、東西に細長い。
約一時間の船に揺られると、島の南側に到着する。
そこから島内の中心地となる北西地域まで、電車に乗り換える。

カラフルな電車が、とても可愛い。

電車を降りたところには、さらに馬車が止まっていた。

私達はまず、島全体を見渡せる灯台へ向かった。
お隣の島も、微かに見える。
北海には、大きな島が7つほどあり、それぞれの島が魅力あふれる島だそうだ。

灯台の上部からは、街を見渡す事ができる。

そして、海岸沿いに目を向けると、白い砂浜と海が見える。
私達は嬉しくなって、砂浜へと急ぐ。 

砂浜まで、もう少し。
まだ、海水浴には早いが、砂浜には屋根の付いたたくさんのリラックスチェアが置かれている。

干潟とは違う白い砂浜が新鮮で、目に美しく映った。

いつかここで、一日のんびりと読書しながら過ごしてみたいね、とパートナーと話す。

島では、新鮮なお魚を頂いた。
ドイツにいる間は、なかなか新鮮なお魚に出会えないので、とても嬉しい。

私達はミニゴルフなどをして、島での数時間を楽しんだ。
私は、ミニゴルフはそれほど得意でない。
ゲームをした事があるのも、数回だけだ。
 
それなのに、風のお陰でボールが勝手にゴールしたり、丁度良い位置にボールが転がって行ってしまった。
逆にパートナーは、風のせいでゴールを外したり、困った位置にボールが転がってしまう。
その度にパートナーは、ありえない!と大きな声で反応するのが、可笑しくてたまらない。

ミニゴルフは3ゲーム行ったが、最終的には、1対2で私が勝った。
ガックリと肩を落とすパートナーを、パシャリと一枚。

ゲームに勝ったご褒美に、大好きなケーキ、Apfelstrudel アプフェルシュトゥルーデルをご馳走してくれた。
勝利の味は、いつもより何倍も美味しい。

以前、卓球の記事を書いた時にも触れたけれど、私達はいつもこうしてアイスやスイーツを賭けて真剣勝負をする。

私はケーキを食べながら、元寇を追い払った神風の話をパートナーにした。
そして、日本には八百万の神がいて、私達を守ってくださっていることも。

唯一神であるキリスト教を信じているパートナーにとっては、それはいささか驚きであったようだ。
風の神?海の神?木の神?石の神?
私が名前を出す度に、困惑している。
でもすぐにギリシャ神話を思い出したようで、たくさんの神様がいる事を理解してくれた。

私はそんなパートナーの様子を見てから、今日は風の神様が私と一緒にミニゴルフをしたのかもねと、おどけてみせた。
そんな強い味方がいるなら僕は負けても仕方ないねと言って、パートナーは笑った。

日本人の半分以上は、無宗教だという。
私の実家は檀家であったけれど、私は仏教徒ではなく、他の多くの人々と同じように無宗教に分類されると思う。
仏教とは別に、祖母が教えてくれた数多くの神様の方が、私には身近な存在なのかもしれない。

私は、世界のどこで暮らしても日本人。
そして、どこに住んでも、こうして守ってくださる神様がいるのだろう。
そして、私の隣には笑顔のパートナーがいる。 
目の前には、大好きなケーキがある。
それだけで、その日の幸せの大部分は満たされる。

愛情と美味しい食べ物と、多少の運。
人生に本当に必要なものは、案外少ないものかもしれない。

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