見出し画像

パッケージデザイン、化粧箱はホントに付加価値なのか?

付加価値の高い商品を売れ。

世間では、よく聞くフレーズです。
私は、「付加価値」という言葉をあまり好きになれませんでした。
付加価値とは直訳すると、何らかの方法でモノやサービスに「価値を付け加える」という意味ですよね。
つまり商品やサービスの元々ある価値ではなく、あとから価値を付け加える。本来ある、価値ではないということ?

グラフィックデザイナー、アートディレクターの佐藤卓さんの著書「塑する思考」「大量生産品のデザイン論」の中で、「デザインの本質は、物や事をカッコよく飾る付加価値ではありません。商品の価値は既にそこに存在していて、私の役割はそれを見つけて、引き出して、つなぐこと。」と言われています。
これを読んで、「まさにその通り。」と腑に落ちました。

画像5

画像1

画像2

パッケージデザインや化粧箱、貼り箱もまったく同じです。
中身(商品)がいいものではないので、パッケージで「良いもの」にするわけではありません。
そんなことをして、無理矢理売れるようにしても意味がありません。
そんな商品を、買ってしまったお客様はたまったものではないです。

逆に、とてもいい商品なのにパッケージがよくないために価値が伝わらず、売れない商品はたくさんあります。勿体ないですよね。

その商品が持つ本来の価値(あとは付け加えた価値ではなく)を見つけ、引き出して、それをお客様に見えるようにして伝えることが、パッケージデザインやパッケージ、化粧箱、貼り箱の役割です。

画像3

これはつまり、商品(企業)とお客様(ユーザー)との接点、コンタクトポイントであり、お互いのコミュニケーションを行う大切な「場」でもあります。

私たちはこんなブランドですよ。と、感じてもらう一つの「場」がパッケージであります。

以前、クリエイティブディレクター佐藤可士和さんとコラムニスト天野祐吉さんとの対談で、天野さんが「外見と中身を分けて考えている人がいるが、外見は一番外側の中身なんです。」と言われていました。

パッケージデザインやパッケージ・化粧箱は、一番外側にある「中身(商品)」を表すもの。
カッコいい装飾として、単に付け加えた価値ではないのです。

パッケージとは、商品価値の本質を見えるカタチにしたものなんです。

人の心を動かすパッケージ。包むから新しい価値へ。
村上紙器工業所 https://www.hakoya.biz

画像4



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?