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その1−3 お子様の変化と将来像から我が家の教育方針を形にする

  教育方針を纏めることでご両親のお考えの整理は完了です。
 ただ教育方針と言われても、すぐに思いつかない方が大半だと思います。そうです、教育方針とは、哲学的に言えは、それは何かと問われれば分からないが、問われなければ分かっているものなのです。
 
 教育方針より上位概念と言える「家訓」があるご家庭もあるかと思います。もしその「家訓」が、代々遵守され、今後も受け継ぐご方針であれば、ここで改めて教育方針を形にする必要はありません。ただし、「家訓」に従う理由のようなものは、お子様に説明出来るようにしておいてください。

 「家訓」が無く、教育方針も形になっておらずとも、前章までお読み頂き、お子様の変化を継続的に理解(前章1-1)し「遊び日記」を書き溜め、お子様の将来に思いを巡らせた(前章1-2)あなたは、すでに教育方針の大枠は固まっています
 ここでは、そんな教育方針を形にする方法をお伝えします。

サンプルとして、前章1-1、1-2でご紹介した、
 お父さま:M&Aアドバイザリー業務に従事、
 お母さまが専業主婦の傍ら地域の地域の国際交流活動に参加
されているご夫婦の事例を使いご説明します。


普段から心掛けている、お子様との接し方を出発点にする

 「教育方針/躾」といっても、相手は幼児です。そもそも幼児が出来ること、分かることが限られています。まずは、お子様との接点の大半を占める遊びを記録した「遊び日記」を振り返り、お子様と接する際に気に掛けていることご夫婦で話し合ってみてください。

 事例では「遊び日記」を元に以下のように点が挙がりました。

・相手が嫌だと思うことはしない(様に見守る)
・子供の考えを辛抱強く聞く
・子供の興味を敏感に捉える

「遊び日記」とダイレクトに関係はしていませんが、具体的で意思があり、出発点として十分な内容です。

今の「教育方針/躾」は「お子様の将来像」から逆算する

 出発点が形になれば、少し難解ですが、その「接し方」の狙いを考えてみてください。そのヒントは、前章でご夫婦で思いを巡らせた「お子様の将来像」にあります。将来お子様にこうなってもらいたい、という思いは、普段のお子様への接し方に表れるのです。

 事例では、以下のようにご夫婦で話し合われました。

 「子供の興味を敏感に捉える」様心掛け、お子様に接しているのは、
興味があることから、試行錯誤でも遊びの幅を広げて、多様な物事に関心を向けてほしい、といった思いがある。

 そして「多様な物事への関心」とは、「お子様の将来像」で妄想した「専門性と意思を持つ」こと、「広い視野で独自の興味を見つける」こととである。

 この話し合いをまとめると、
 「子供の興味を敏感に捉えることで、そこから新しい気づきに繋げる」
 となり、教育方針の一つが形になりました。

  同様に、話し合いを進めていった結果、以下のように教育方針/躾が形になりました。

ご家庭の「教育方針/躾」の特色を幼稚園基準で測る

 「教育方針/躾」が形になれば、その出来栄えが気になると思います。ここでは、客観的にその特色を知るため、また幼稚園目線を加えて、前章1-1「お子様の成長/変化を分類、可視化する」でご紹介した、学習指導要領や保育指針で定められた、保育の5つの領域で分類し、その関連性を見てみましょう。
 なお、「5つの分類」は、「健康」「人間関係」など、領域の名称だけでは内容が把握できないため、その「1 ねらい」、特に「2 内容」をご確認ください。

 また、「5つの分類」は「幼稚園終了までに育つことが期待されている」事項です。当然幼稚園ご入園前のお子様にとっては、ハードルが高過ぎる内容なので、お子様の3年後、4年後を想像しながら「教育方針/躾」との関連性を、強弱を付けて紐付けてみてください。

 前述の事例では、以下の様に「人間関係」に少し強い関係性が確認出来ました。これが、ご家庭の「教育方針/躾」の特色であり、幼稚園の見え方なのです。

「教育方針/躾」を見直し、共に成長する

 前章1-2 「ご両親が感じる価値観の変化からお子様の将来像を妄想する」で形にした「お子様の将来像」と同様、「教育方針/躾」も都度振り返り、見直してください。
 ネーミングは仰々しいですが、それこそ「家訓」の様に永続的な考えでは無く、社会の変化やお子様の成長に合わせて、都度話し合い、家族の成長に合わせて変わるものです。ここで纏めた「教育方針/躾」は、その「話し合い」のための土台くらいにお考えください。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
本章でご家庭のお子様に関するお考えが構造的に纏まりました。次章では、同様に幼稚園側のお考えをまとめます。
 両者を揃えることで「相思相愛」の幼稚園を見つける準びが出来ます。また、本章までの内容が、願書や面接のストーリーの根幹となります。こちらについても、次回以降でご説明します。

「親子で楽しむ お受験準備」全体にご興味を持っていただけましたら、
まずは目次をご参照ください。
その0 ご両親がまずやるべきこと
その1 相思相愛の幼稚園の探し方
その2 幼稚園の「評価視点」
その3 ご両親の準備 〜願書、面接、考査は三位一体〜
その4 当日の過ごし方

 本章他考え方は複雑ですが、事例を元に要点のみお伝えしています。不明確な点、個別の依頼などございましたら、メッセージをお送りくださると幸いです。
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