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創作に対する対価について考えさせられた話


こんなに貰えるの!?


そう思ったのが、某作曲バーチャルYouTuberのあるツイート。


※TwitterのDMでツイートの転載許可を出していましたが、得られませんでした。内容としては「私に依頼する場合はBGM1分で約6万円から、歌あり作詞作曲編曲約20万円から」といった内容です。


このツイートの反応を確認すると、ほとんどが「適正価格!むしろ安い!」といった反応。
この一連のツイートのスクリーンショットを相方のitaruに見せると


普通の相場は5000円だよ(^-^;)
フルオーケストラになって初めて2万円


との反応。


ここからhareya考える。


某作曲バーチャルYouTuberは1曲20万円。下手したらそれ以上。hareya_itaruは1曲5000円。
つまりhareya_itaruが某作曲バーチャルYouTuberと同じ稼ぎを得るには40曲作らなきゃならいけない!
さらに某作曲バーチャルYouTuberはhareya_itaruが40曲作っている最中に、新たな契約を結ぶかもしれない!


itaruの考え方としては「実績を積んでから徐々に値段上げればいい話」と返事が。


そこで生じた疑問が


「じゃあ、クライアントに値上げを説得出来る材料は?」


「クオリティを上げればいいじゃないかー」となるが、1.5倍の対価を要求してクオリティは1.5倍になるか?そして、そのクオリティが1.5倍になったから1.5倍の対価を払うと誰が評価する?


少し前に見たブログを思い出す。
「仮想通貨マイニング(Coinhive)で家宅捜索を受けた」で有名なモロさんのブログである。


※モロさんにもTwitterのDMで転載許可を某作曲バーチャルYouTuberと同じ様に送りましたが、転載許可を頂けましたので転載させて頂きます。大変な中、DMに返信頂きありがとうございました。


ここでは


僕の場合、能力はさておきそもそも目立つことが苦手でした。
謙虚であれ、謙遜こそ美徳、と常々思います。

しかしこの競争社会、他人に労力を裂いて「事実か謙遜か」なんていちいち検討していられないので、大抵の場合残念な結果を招きます。
世の中が求めているのはわかりやすくすごい人で、本当にすごいかどうかは二の次。
もしあとから口ほどにもなかったことが発覚しても、その責任は本人が負うだけなので気軽に騙されることができます。

さらに「俺はすごいぞ!」というセルフブランディングは期待という重圧になり、結果的になんやかんや本当にすごい人が出来上がるケースも少なくありません。
もちろん出来上がらないケースのほうが多いのは言うまでもありませんが、そういったある種の向こう見ずさが(なくてよかったなとも思う反面)あればよかったのかなと思います。


と書いており、これらを含めてまとまった考えが


◎最初から自分を安売りしたら後からの値上げって大変じゃない!?

◎安い対価で高いクオリティの作品を作るのは「美徳」だけど、それって日本にブラック企業・ブラック労働が蔓延する構図と同じじゃない!?

◎昔からある交渉術だか、最初に高い金額を提示する


確かに、実力を伴い仕事をするのは大切である。そしてそれに見合った対価を要求する───────ここまではいい。
次の問題は「美徳」や「ボランティア精神」で創作をするのはいいが、その先があるかという点だ。

東京オリンピック・パラリンピックのボランティアが話題となっている。
大会組織委員の考えでは、通訳や選手を乗せる交通手段の運転手さらには、メディア対応までもボランティアにやらせようとしている。
「美徳」や「ボランティア精神」を使用して「専門分野」を安い給与で賄おうとしている。
このことが報道されると多くの反応があった。
───────多くの否定的な反応が。


創作の分野でもこういう声が上がってもおかしくはないだろうか。

使い勝手のいい作家はクライアントにとってはいいだろう。安くて使えて高いクオリティが高ければ尚更だ。
使い勝手がいいは逆に言えば、使い捨ても簡単だ。


創作には夢がある。それを貰える対価が低くて「創作には先がない」という理由で諦めたら悲しいではないか。

創作をして生活することを望んでいなければ、もしくはボランティア精神で1曲5000円でもいいのかもしれない。ただ、1曲作るのには時間が掛かる。
どんなに最低でも、住んでいる県の時給で作業時間を積算して要求するぐらいは必要なのではないだろうか。

自分の作品を聴いた1万円で受け取るクライアントと20万円で受け取るクライアントがいれば、間違いなく20万円のクライアントに納入する。
但し、1万円提示のクライアントがよっぽど深い仲なら心は動くが。


ちなみに、itaruにここまでの考えをまとめて長文で送ったら


そういう考えなら作曲編曲で金もらう話には首突っ込みません


と返信が。
少なくてもitaruは論破したようである。



このnoteは無料で公開している。
見方を変えれば、無料以上の価値はないのである。


例えば、ここに1枚の絵画があるとする。価格は100万円。
多く人が「こんな絵1枚が100万円もするの!?」と言うだろう。
それを100万円で売ったら、その絵画には100万円の価値が付く。
でも同じ絵画を売れないから、50万円にして売れたら50万円の価値にしかならないのである。
売った人も50万円しか手元に入らないし、絵画も50万円の価値となってしまう。これでは誰も得をしていない。
さらにそれを50万円で買った人が150万円で売ったら買った人が100万円のプラスである。
同じ絵画なのに!


美徳は確かに素晴らしい。
ただ、美徳だけで済ませていいのか?
正しい対価をもらっているのか?
そしてその対価の先に未来はあるのか?


誰だって曲を作れるこの群雄割拠のこの世の中。
埋もれないためにセルフブランディングは大切である。
少しでも埋もれたら認知されない。


そういったことにならないために、そして本人は謙遜のつもりかもしれないが「自分は能力が低いアピール」することは「フリーランスやめるので本当のことを全部書く」でモロさんが書いたように「大抵の場合残念な結果を招く」ことになる。


ちなみにitaruにモロさんの記事を見せたら


間違ってる気がする
ある意味さぎでは?
(原文ママ)


と反応があった。


仕事を1件でも頂くのは大変な苦労がいる。
それを40件と考えると気が遠くなる。

「自分は能力が低いアピール」をしてどんな得があるのか。40件の仕事どころか1件も仕事が決まらないことにならないだろうか。
それなら、1件を高い単価で提示してそれに全力で取り組む。それが高いクオリティにも繋がるのではないだろうか。


だから某作曲バーチャルYouTuberの提示する相場が「普通」になると音楽を創作する全ての人が得をする。
そんなことを一つのツイートから考えた。





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