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社会構成主義

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あくまで1個人の解釈・実践・読書会などのまとめです。
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ガーゲン 社会構成主義 読書会記録まとめ

 2021年頃から、ガーゲンの著書のオンライン読書会に参加して、少しずつ社会構成主義についての学びを深めてきました。  今回4冊目を読み始めるにあたって、過去の読書会での自分の学びを一覧にしておきたいと思います。 関係からはじまる 日本での出版は2020年。500ページの大作ですが、「関係」ということに焦点を当てて、1つ1つ詳しく解説されています。 第1章 誰もが「私」から世界を見ると起こること 第2章 生きている限り関係なしで成り立つものはない 第3章 「心の中のこと」

『関係からはじまる』 おわりに(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めてきたガーゲンの「関係からはじまる」、ついに最後の「おわりに」まで読み終わりました!  読み初めの2月は読み切れるか不安でしたが、500ページものこの大作をみんなで読んでこれたんだ!と、とても感慨深いです。  今回はこれまでを振り返りつつ、各自が思い浮かんだことを話したりな回でした。 私と相手の正義がぶつかる時に 私と相手の正義がぶつかった時に、ふと思った疑問。自分はこうやって本を読んで、「対立の根絶はできなくても、新たな地平が開け

関係から成り立つ全てのことに感謝を 『関係からはじまる』第12章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第12章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第12章概要  第12章は第4部「道徳から聖なるものへ」の最後の章で、ついに最終章です!  非常に面白いのは、これまで「関係が大事!」と述べてきたけれど、この関係の本質そのものを理解するのは限界がある、なぜなら「言語」という独立したもので書き記すしかないから、ということです。 📕メタファーで説明する「関係」 そこで、この本質

自分の価値観を押し付けないことで対立を柔らかくする 『関係からはじまる』第11章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第11章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第11章概要  第11章は第4部「道徳から聖なるものへ」の最初の章です。わかりやすい!と思った章の直後にこれ…でちょっと途方もない気持ちになりましたが、読書会のメリット、色んな人と話ながら読む中で、少しは消化できたかなと思います。 📕関係の中で善悪を生み出す段階 これまでの章でも出てきた通り、「これが善い」と規定することで、

関係の視点で捉えた組織・リーダーシップのあり方 『関係からはじまる』第10章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第10章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第10章概要  第10章は第3部「専門的実践における関係規定的存在」の最後の章で、組織を掘り下げた回でした。  正直今までで一番スッと読みやすい!仕事や組織という、自分自身の日常に直結する部分だったからかなと思います。 📕組織の活力は関係から生まれる 普段ビジネス書や仕事のノウハウ本には、行動原理は内発的動機か外発的動機で整

セラピーも関係で捉え、自分自身のナラティヴも変えていける 『関係からはじまる』第9章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第9章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第9章概要  第9章は第3部「専門的実践における関係規定的存在」の3章目で、セラピーを掘り下げた回でした。 📕心の病気への批判  現代は心療内科は予約がいっぱいで、メンタルヘルスで休職する人も多くいて、心の病気が増えているかのように見えます。  本章では初めに、関係規定的存在という見方をすると、そもそも心の病気と思っていたもの

多様な参加の輪が教育にも有効 『関係からはじまる』第8章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第8章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第8章概要  第8章は第3部「専門的実践における関係規定的存在」の2章目で、教育分野を掘り下げた回でした。  教育を「有能な個人を生産するもの」と捉えるのではなく、さまざまな関係に視点を向けると、みんなが共に生きていく新たな一歩が踏み出せるのではという可能性が示されています。 📕「関係」からみる教育 従来の教育は「自分で考えら

「知」を作るのは誰か 『関係からはじまる』第7章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第7章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第7章概要  第7章からは第3部「専門的実践における関係規定的存在」に入り、とうとう半分を折り返しました!(全12章)  500ページもあるこの本は、一人では絶対挫折して読めなかったと思うので、ここまできたことがちょっと感慨深いです。  今回の章は、全体的には「知の生成」を行う=大学などのアカデミックの話となっており、個人的に体

グループ間の対立をやわらげるには 『関係からはじまる』第6章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第6章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第6章概要  今回は、これまで「個人」と「個人」の境界の話だったものが、「絆」を持ったもう少し広い単位に広がった時に起こることが書いてありました。 📕絆があると起きること  絆って日本ではとてもいいイメージですよね。  ところが、この章では、家庭、地域、さまざまなグループにおいて、「絆」を強くするとよくないことも起きるよね、と

自分も相手も関係によって変わりゆく 『関係からはじまる』第5章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第5章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第5章概要  第1章から第4章までの第1部では、「関係」に着目した話だったところから、第5章ではその関係の中の「個人」の視点で書かれている感じです。 📕変幻自在的存在とは 変幻自在的存在(=multi-being)とは、私たちは関係の中で存在しているので、その関係性に応じて自分自身も変幻自在に変わりゆく、というイメージです。(

関係のシナリオで対話(現実)を変える 『関係からはじまる』第4章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第4章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第4章概要  第3章では、「私の心の中」の出来事なんていうものは無く、個人の心の中の出来事と思われていたこともあくまで「関係」によってできているということが解説されていました。  続く第4章では、感情・快楽・苦痛も同様に「関係」によってできている、協応行為であるということが、多様な角度から解説されています。そして、第4章で、第

「心の中のこと」と思ってたことも、全て「関係」による 『関係からはじまる』第3章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第3章のまとめです。※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第3章概要 第1章では「私」と「あなた」が切り離されてたものであるという考え方の持つ弊害が挙げられ、第2章ではその真逆の考え方として全ては「関係」によってできているということが書かれていました。  続く第3章ではそれを深めて、「私の心の中」の出来事なんていうものは無く、個人の心の中の出来事と思われていたこともあくまで「関係」に

生きている限り関係なしで成り立つものはない 『関係からはじまる』第2章(読書会記録)

 2週に1章ずつオンライン読書会で読み進めているガーゲンの「関係からはじまる」。今回は第2章のまとめです。長いです… ※あくまで個人の受け取り方・感想です。 📕第2章概要 第2章は、「なっ、なるほど!そんな視点があったんだ!」 or 「いやいやそれは屁理屈では……」 と、ガーゲンが好きか嫌いかの分かれ道になるような序章でした。  私たちは普段、私とあなたは別の人と境界線を引いています(境界画定的存在)。  でも例えば、今こうしてnoteを読んでいる時、「読んでいるあなた」

誰もが「私」から世界を見ると起こること 『関係からはじまる』第1章(読書会記録)

 親子のコミュニケーションや、ワークショップでの対話を掘り下げていきたく、勇気を出して1つの連続読書会に参加し始めました。  読む本は、これまでの人生で最も分厚く・最も高い、「関係からはじまる」ケネス・J・ガーゲン著です。  正直1人では読みきれる自信は皆無ですが、これから隔週に1度、1章ずつ読み進めていくとのことで頑張ってみようと思います。  そして、それをできる限り噛み砕いて、未来の自分が見てわかるようにまとめていきたいと思います。 第1章概要 もう、章のタイトルか