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ポメラ日記 #007 師走は時すらも走る


忙しさが師走めいて来ましたね

久々にポメラを開いてゆっくりと向き合うことが出来ている。
ここ二週間ほどは引っ越しの準備やら後片付けに追われてまともに物を考えられる状態では無かった。
引っ越し直後の自宅は未だカオスを極めているものの、移ってしまえば特に期限が決められているわけでもないし、ゆっくりと生活リズムの再建に取り組みたい。

寒くなりましたね

11月に入って、私の住んでいる地域ではぐっと気温が下がってきた。
日の出ているうちはそれでもかなり暖かく感じるが、朝晩はツンとした冬のような寒さが何となく年末を感じさせる。街にちらほらと現れ始めたサンタクロースがその傾向を助長しているのかもしれない。
おそらく日本に住んでいる殆ど大半の人が11月初旬のスーパーのラインナップに「もうクリスマスかあ」とまず思い、12月25日を過ぎてまもなく「え、もう年末じゃん」と口にしている(はずだ)。クリスマスまでぐっと陰を潜めていた年末感は、サンタの退場とともに急激に人々の胸に去来する。毎年感じているあの感覚を、とりあえず『サンタロス』、と呼んでみる。サンタロスは世界共通のものなのだろうか。少なくとも旧正月を祝う中国ではサンタロスは起きなさそうだな、と思ってみたりする。
日本ではサンタロスしてまもなく、多くの人々は仕事納めを迎え、一週間ほどで嘘のように通常運転の日常に戻っていく。サンタロスで最高潮を迎えたドラマチックなムードが、たった一週間で一気に消失していく感じがあるのは、きっと私だけではない。ほかにも日本では春に年度末を迎える関係上、3月頃から再びドラマチックなシーズンを迎える。後は、夏の7,8月。私にとって日本がドラマチックになるのはこの三回だ。

日常が何となくドラマ

お気づきかもしれないが、このドラマチックと感じている時期は、いわゆる学校の長期休暇にかぶる。社会人になった私に夏休みも春休みも存在しないわけだが、おそらく幼少期からすり込まれた長期休暇への期待感と高揚感が世界を何となくドラマチックに見せている。実際、年度末や年末という区切りでは人との出会いや別れ、生活環境の変化など人生の転機が多く訪れるし、夏の長期休暇を利用したイベント事も同様に人生にとって大きなドラマになる要素が多い。別の言い方をすれば、1年におけるハイライトは、この3つのシーズンに集中しやすい。12月のあれがサンタロスだとしたら、後は何だろう。3,4月は、『サクラロス』か。夏は、なんだ?『日差しロス』?
(壊滅的なネーミングセンスなので、読者の皆様の知恵をお借りしたところだが、あまりにどうでもいいので割愛する)

便乗と開き直りが人生。

ともかく、このシーズンは何となく心が浮き足立つ感じがするし、私の場合新しいことにチャレンジしてみたり、自分を振り返ったりなど、ちょっといつもとは違う行動選択になりがちだ。昔は空気感に流されてばかりいるのも大人げないように思っていたが、最近はもうこの自分の傾向を逆手にとって、何かを始めるならこの3シーズンのどれかにしようと思っている。この3シーズンはほかの時期に比べてどうにも時間が過ぎゆくのが早く感じる分、何となく自分が加速した感覚がするのだ。ことを始める当たって、初速は重要だ。遅々として進まない感覚や、途方もない感覚というのは意欲を減退させるが、実態が伴わなくても何となくことが進んでいる気がするというのは、継続させる足がかりとして重要だと思う。初速が早ければ早いほど、それが勘違いだとしても何となく進んだ感じとともに、継続出来そうだぞ、という自信につながる。

そういうわけで、今年も早速サンタロスに向けた準備を始めた。
かねてより、仕事上ドイツ語の文献に当たることが多かったのだが、グーグルやDeepLといった翻訳アプリに頼り切っていた。それでも十分対応は可能であったのだが、いっそのこと、少しくらいドイツ語を勉強してもいいのでは、という気になって、(あとは何となくドイツ語かっこいいなというミーハー)この年末からドイツ語の勉強を始めることにした。本当にABCからの勉強になるので、小学生時代に戻った気分である。(ちなみにドイツ語でabcは「アーベーツェー」ここから覚え直しなのだ)

終わりに

師走とはよくいったもので、この時期は皆何かと忙しい。
個人的な事情や家族の事情もあいまって、イベント盛りだくさんになりそうなこの年末はいつも以上に私自身が走りゆき、そして時が走り去る相乗効果によって本当に瞬く間に終わってしまいそうだ。一年が終わり、そして始まる。人々も何かを終え、また何かを始めるだろう・
この日記の終わりに、今の私たちにピッタリなことわざを紹介したい。
勉強し始めたばかりのドイツ語で。

Aller Annfang ist schwer.

和訳『始まりはいつも難しい』

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