逆光
光に逆らわず生きていくことなど
果たして僕らに出来るのだろうか
また雲の作り出す安寧を探している羊
雨に隠れた夏の薫りの中で
誰もいないプールの水面は
僕らの呼吸を乱反射するだろう
あの日と同じように
一握りに満たない勇気が
あの秒針のネジを巻いていくのだとしても
きっとここは螺旋階段の上
公転しているのは、紛れもない僕らの方なのだ
さらけ出された青春の前ではもはや
立ち止まることの方が難しい
明順応は若いほうがいい、背に受けた光の分だけ
僕らの陰は闇に似る
廻れ、鼓動があの西の空に沈む前に
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