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社会人3年目のあれこれ【56】教授の山小屋
56 教授の山小屋
檜原村にある大学の教授の山小屋にお邪魔した。一緒に訪れた友人の25歳の誕生日が近かったことから、「これまでの25年、これからの25年」というテーマでの滞在となった。
電波の届かない山小屋では、お茶を飲みながら語り、教授がダッチオーブンでふるまう料理を食べながら語り、夜明けのころ、空の色が変わるのを眺め、森を散歩し、豆を挽いてコーヒーを飲みながら語り、朝の体操をして、川辺を散歩する、といった素朴で贅沢な時間を過ごした。
帰宅後、ちょっとした寄稿文を書いた。
山小屋での時間を振り返って ~淡い光~
井の頭公園の雑木林に私は5年ほど、時間があれば通っている。
どの季節も好きだけど、私は冬の井の頭公園が一番好きだ。
これまでの25年、これからの25年。
季節にすると春から夏。そして夏から秋となる。
今の私たちは、ようやく新芽から夏の賑やかで元気な季節に入ったところだ。
秋になるころ、いったいどんな実をつけているのだろうか。
25年後、私は自分で納得できるまで出来たことを、
誰かにプレゼントしたり、教えたりしたい。
そのために、夏は太陽を存分に浴びて、しっかりと根を張り、水や土の養分をとり込んで、枝葉を伸ばす。秋の実りの時に、ほかの誰かの肥やしとなるような何かが残せるように、まずは自分が大きくなることを考えよう。
そんな想いがスッと浮かんだ山小屋での時間。
山の中のあの場所で、いつもより大きな時間軸の中に自分を受け入れてあげたいと思った。
そして今日も井の頭公園にいる。
遠くに色づき始めた木々が見える。
いつか冬の季節に差し掛かるころ、私は冬が一番好きなの、なんて言えたらいいな。
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