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瓶詰め地獄 夢野久作

今回は、夢野久作の"瓶詰め地獄"を紹介します。

夢野久作氏は、既に亡くなられているので著作権はありません。なので、ネットで読めます。


瓶詰め地獄を知ったのは、去年、BSで放送していた夢野久作特集です。夢野久作好きの方が夢野久作について語ってて、凄く面白かった!
以前から、ドグラ・マグラを読んでみたいと思っていたので、手始めに瓶詰め地獄を読んでみました。期待を裏切らない夢野久作ワールド。

感想


まず、アヤ子ですが、恐らくアヤ子は、妹では無く、"弟"なんだと思います。2人の両親はキリスト教徒であり、2人もその教えに準じている。
兄の太郎が、こんなにも罪の意識を抱えているのは、実妹を好きになってしまったから。では無く、"男の弟"を好きになってしまったから(キリスト教では、同性愛は禁忌です)

女性名なのは、幼い男子に女子の格好と名前を付けるという西洋の文化を真似たからでしょうか。
それを踏まえると、何となくある違和感が飲み込める気がします。 
ただ、アヤ子の一人称は"あたし"なので、やはり妹?とも思ってしまう…どちらとも捉えられます。

(他の方の考察では、聖書一冊でこんなにも達者な文が書けるのはおかしい。などなど、色々な意見もありました。確かに最初に書いたのであろう、第3の文の拙さを見ると、聖書で学び、2人とも成長しているとは言え、随分と上達している様に思えますが…真偽は謎です)

そして、最初、浜辺でこの瓶を見つけた島村役場の方が、瓶の封は開封されていないと書いているので、2人の文は両親どころか誰にも読まれていない事になります。
この瓶を開けた海洋研究所の人はその後どうしたのでしょうか?

第1の文にある様に、助けに来た船を眺めながら、2人は心中してしまったのでしょうか?
そもそも、2人が出した文は誰にも読まれていなかったのに、本当に助けが来たのか?はたまた幻想だったのでは?と勘繰ってしまいます。
結局、真相は謎のままです。



流石、夢野久作。この時代にこの短編を書き切ってしまえる事が凄いです。しかも、今読んでも面白い。

https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4047281425/ref=tmm_other_meta_binding_swatch_0?ie=UTF8&qid=&sr=
漫画版もあります。
丸尾末広さんの絵と瓶詰め地獄の内容が絶妙にマッチしています。

https://aucfree.com/m/items/t768513627

(↑センシティブ注意。苦手な方は見ない方が良)

瓶詰め地獄を元にした映画も作られています。
近親相姦を描いたピンク映画だそう。まぁ瓶詰め地獄の内容を踏まえればそういう内容になる意外に何がある?という感じ^^;
どんな出来なのか気になる気持ちもありますが、買っても古すぎて、流石に再生出来ません。
漫画版を読むのが妥当でしょうか。
(それはそうと、↑で頼んで無事に届くのか何か不安ですね。怪しい…)

最近、ドグラ・マグラの文庫本を書いました。読んだら感想書きたくてワクワクしてます(*^^*)

この勢いで夢野久作ワールドを堪能していきたいです♪


では、また。

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