【超短小説】年雄、イライラ。

年雄はイライラしていた。

理由はない。

朝起きた時から、なんだかイライラしていた。

たまにそんな日がある。

人間だもの。

テレビをつけようとして、リモコンを取ろうとしたら、リモコンがない。

あー!もう!

靴下を履こうとしたら、小指に引っかかった。

あー!もう!

Tシャツが臭い。

あー!もう!もう!

髪がパサパサ。

あー!もももう!

外に出る。暑い。

がー!もう!

なんだ今日は!

ちっともいい事がない!

イライラする!

人間だもの!

浜本年雄40歳。

ちっともいい事がない日。

それは、いつもと何も変わらない日。

いつもと何も変わらない日は、イライラしていなければ、とても良い日。

イライラ反対ー。

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