【超短小説】年雄、夜道で笑う

今日の昼は暑かった。

そんな中、年雄はジョギングに出かけた。

3キロほど走った辺りで、年雄はバテた。

最近涼しかったせいで、今日の暑さを警戒していなかった。

歳のせいか、一度バテるとなかなか回復しない。

食欲もなく、夕食は冷たいうどんをツルっと食べただけ。

いつもは、天ぷらにコロッケも食べる。

調子が戻ったのは、お風呂から出たあたり。

年雄は夜道を散歩した。

夜道と言っても、街灯のおかげで真っ暗な所はない。

都会だな。

都会の一本道の先から、昼の暑さを忘れる涼しい風が年雄をすり抜けた。

年雄は立ち止まり、笑った。

いい夜だ。

浜本年雄40歳。

すれ違った女性が、そんな年雄を見て怖がっていたが、今日は気にしない。

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