【超短小説】年雄の情報収集
世の中便利になった。
自分の知りたい情報が簡単に手に入る。
片手でポチっと。
ただ、年雄はそれに悩まされている。
知りたい情報はすぐ手に入るが、それとは逆に知りたくない情報も入ってくる。
入る情報が嘘だという情報。
嘘だという情報が嘘だという情報。
多くの情報の中から、本当の情報を探さなくてはいけない時代。
年雄は情報処理能力に長けていない。
どれが本当か選別できない。
「あいつは悪い奴だ」いや、「実はいい奴だ」。
どちらかが嘘を言っているのか?
誰が言っているのか?
誰に言っているのか?
便利に、ついて行けない。
情報収集は簡単になったが、情報処理能力がない。
結局自分の能力。
自分を信じろと言うが、こんな時代にどうやって?
でもまぁいいか。
ほどほどで。
浜本年雄40歳。
高校は、情報処理科を卒業している。
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