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トウモロコシ畑の子供たち

スティーブン・キング初期短編

よく「民俗学」的な印象を持たれる作品。
映画「ウィッカーマン」とも比較されることが多い。
「ウィッカーマン」は
古代ドルイドの教義に元付いた祭事がテーマだった。
「トウモロコシ畑の子供たち」は
異形の邪神への信仰に元付いた祭事がテーマだろう。
信仰する「神」の違いはあるが
祭事の形は かなり似ている。


「ウィッカーマン」
古代ガリア時代に信仰されていた
ドルイド教の祭事の名称であり、儀式を指す。

藁や木で造った
巨大な人型の檻に
人間や家畜を詰め込む。
そこに火を付け神に捧げる。


実際、何か作る場合
乾燥させたトウモロコシの皮は
非常に扱い易い。
編んだ草履やスリッパは
夏場に快適。
思った以上に通気性もよく
保温性・保湿性も優れている。
室内履きなら
通年快適だ。


映画「ウィッカーマン」は
デイビッド・ピナー『Ritual』(1967)が元になっている。
ドルイドの祭事を中心に
「隔絶された辺境の町」特有の習慣と人々。

おそらくこの小説を読んだであろう
スティーブン・キング。
根底にある
古の教義と人々に
心惹かれたに違いない。
初期作品とはいえ
徹底した「世界観」
「ジェルサレム・ロット」でも起こったー
後の「セイラムズ・ロット」に繋がる
異形の神の信仰は 
ここでも生きている。

スティーブン・キングの短編作品の
初の映像化は この作品(84)
スティーブン・キングの作品の密度を再現するのは
時代を考えるに 非常に困難を極める。
短編ならば!と
試行錯誤した末に映画化となった。


・・・当時は 血しぶきスプラッター映画の全盛期では・・・
「怖い物語=血しぶき」くらいの認識か?!
興行的な面を考えるなら、選択としては
あながち間違いではない。
ただスティーブン・キング作品として考えると
「・・・・」だ。

見事な血しぶき映画となってしまったが
ストーリーの本筋は
非常にスティーブン・キングの作品であり
異色のホラー映画となっている。
悪魔的な香りと血は相性がいい。
近年まで9本作られた
人気シリーズとなっている。


異形の神の司祭に
当たる子供が登場する。
後年の「シークレット・ウインドウ」の
ジョン・シューターへと
その役割は
引き継がれているように思う。


激しい血しぶきに
観る人を選びそうだが
遠慮がちに オススメ したい・・・







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