見出し画像

怒る先生と受け入れる先生

こんにちは晴光です。今の季節暖かくなったと思ったら寒くなって天気も心もそわそわしますね。前回はAID(非配偶者間人工授精)について書きました。子どもにAIDのことを告知することも子どもに告知しないことも覚悟がいるとことだと思います。結局のところ何が正解かわからないのですが、僕は大好きな奥さんと一緒に考えて信頼し合える家族を作りたいなと思います。

今回はAIDを受けるにあたり、予定していた手術を中止した時の話です。病院も大変ですが、対応一つで気持ちが救われることもあるなぁと思いました。

↓↓前回の記事↓↓

僕の先生の場合

奥さんと話し合い僕の精子を使わずにAIDで子どもを授かる方法を選ぶことにしたので、TESEの手術、顕微授精を中止することをそれぞれの病院に伝えることになりました。まず初めに伝えたのは僕の方の病院(泌尿器科)です。病院の先生はTESEのために熱心に通院して2週間後に手術を控えていた僕が、急にTESEをやめるといいだしたもんだからびっくりしていました。


手術をやめる理由として遺伝で無精子症やアルツハイマー(これは可能性があるだけですが・・)を継がせてしまことが怖いということを説明しましたがあまり共感はしてもらえませんでした。先生は「無精子症や認知症が遺伝するかどうかは決まったわけではないし、認知症なんかは少しずつ研究も進んでいるんだからあまり気にしなくてもいいのでは」という考えでした。


僕も第三者ならそう思います。でも無精子症や若年性アルツハイマーなどほとんどの人が知らずに通り過ぎていく病気に直面し悩んできた僕は楽観的考えることはできませんでした。成功率が低いTESEや顕微授精が失敗して体も時間もお金を無駄に使ってしまうこと。子どもを授かったとしても無精子症やアルツハイマーを遺伝させてしまうことなど悪いイメージがどうしても頭に浮かんでしまいました。


先生からの提案もありましたが手術はやめる気持ちは変わらないことを伝えると先生は「まぁ怖くなってやめるということもよくあるますからね。じゃあ手術は無しですね。」と言って手術の中止を受け入れてくれた。予定を崩されたためか、自分の納得いかいない理由で手術が中止になったためか分からないがイライラしているようで、手術の承諾書を僕の目の前でビリビリと破きました。

自分勝手な言い分だったかもしれませんが、手術をする理由がないうえ、体にも家計にも負担のかかることだったので、ここまで準備してくれた先生に悪いからとりあえず手術はやりますとは言えなかったです。病院からの帰り道は悪いことをしてしまった気持ちでしゅんとしながら歩きました。

奥さんの先生の場合

TESEの中止をした一方で顕微受精も中止しなくてはいけなかったので、奥さんが通う産婦人科に2人で行きました。僕の時のこともありどんな態度をとられるかドキドキしながら顕微授精の中止を相談したのですが、悩みを親身になって聞いてくれ、すんなりと顕微受精の中止を受け入れてくれました。
それだけではなく、AIDを見たいと言う申し出も快く聞いてくれ、AIDを実施している病院宛に紹介状を書いてくれました。


以前にも書いたのですが、不妊治療を行っている病院は患者さんをたくさん抱えていて先生たちも忙しそうです。不安な気持ちで通院してくる患者さんも多いだろうし、その患者さんを相手にする先生もすごく疲れると思います。なので悩みを聞くことに時間がとれないのは仕方ないことだし理解もできます。しかしそんな中でもゆっくりと話を聞いてくれる雰囲気を作ってくれ、自分たちの不安を何とか解消してくれようとする姿勢を見せてくれたこの病院には心が救われたし感謝の気持ちが一杯でした。帰り道もほっこりした気持ちで奥さんと二人手を繋いで帰りました。

早く抜け出したい

成功率は低いTESEの結果を知るのは怖かったし、その後の顕微受精が成功する確率も高くはなかったのでそういったことの心配をしなくてよくなったことで心が楽になりました、無精子症が分かった当初の計画だと、TESEをしてみてそれがダメだったらAID、里子、子どもをあきらめるの選択をする予定だったので1つステップを飛ばしたような気持ちになりました。この時の僕は早く不妊の悩みから抜け出したくてしょうがありませんでした。なので自分と子どもの遺伝的なつながりを諦める悔しさよりも、AIDに進むことになり、もう少しで子どもを授かることができるかもしれないという嬉しさの方が大きかったです。



でも中々思うようにいかないのが人生です。AIDでも問題が起こってしまいます。次回はその時の話を書こうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?