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コーヒーの歴史 秘薬から世界へ
イスラム教門外不出の秘薬
コーヒーはイスラム教の修道僧たちによってイスラム教門外不出の秘薬として愛飲されており、一般の人間が口にする事はありませんでした。
はじめは種子を擦り潰して脂を混ぜ、団子にして食用としていましたが、その後、実と葉を一緒に煮て煮汁を飲むようになり(カスカラティー)、実の皮と種子を天日で乾かして使うようになりました。
また、豆が焙煎された経緯は不鮮明とされており、イスラム教が他の宗派から独占したかった為、種実のままでは発芽してしまうので火を入れたと云われる説や、偶然起きた火事で豆が焼かれた時に出た芳香がきっかけとなったという説があります。
世界初の喫茶店
エチオピアで発見されて以来、イスラム教全土に広まったコーヒーは、モカ→アデン→メッカ→メディナと、瞬く間にアラビア半島に広がりました。
1510年頃にはカイロに世界初のコーヒーハウスが開店、1554年にはトルコの首都イスタンブールに『カフェ・カーネス』(kaveh kanes)という現存する中で最も古い喫茶店が誕生し社交の場として人気を博しました。
ここからトルコではコーヒーハウスが急増し、官邸の役人や他国の旅人などが訪れ、『賢者の学校』とも呼ばれるようになりました。
当時では、煎ったコーヒー豆を石臼で挽いて煮出して飲む方法が親しまれており、これがトルココーヒーの原点と云われています。
トルコからヨーロッパへ
コーヒーはヨーロッパに伝わる以前から、すでにキリスト教徒の間では異教徒の飲み物として知られていました。
イタリアでは、1615年にベネチアの商人がコーヒーを自国に持ち帰ったことによって西ヨーロッパに広まり、1645年頃 イタリア ベネチアにヨーロッパ初のコーヒーショップが誕生しました。
イギリスでは、トルコ人の商人が客人にコーヒーを振る舞ったことがきっかけとなり、1650年にイギリス オックスフォードにもコーヒーショップが誕生し、わずか10年で2000軒のコーヒーショップが乱立する人気を博しました。
フランスでは、1644年に初めてマルセイユに伝来されましたが、1669年にトルコ大使 ソリマン・アガによってルイ14世にトルコ式コーヒーが献上され、1671年にマルセイユに初めてのコーヒーショップが開店し上流階級の人々に人気を博しました。
1672年、アルメニアの商人 パスカルがサンジェルマンの博覧会にてコーヒーショップを開き、俳優や批評家たちに評判を得ることとなり、その後、レコール河岸のヌフ橋近くにコーヒーハウスを開業しましたが、東洋風カフェは外国人か貧困階級のものというイメージがあり上流階級の人々に受け入れられず、やがて店を畳んでコーヒーが流行の渦中だったロンドンへ移りました。
1689年、創業者フランソワ・プロコープによって、純フランス風カフェ『カフェ・ド・プロコープ』が開店し、パリ市民に一般的に知れ渡るようになりました。
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