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ベートーヴェンを毎日聴く361-2(2020年12月26日)

『ベートーヴェン/フルート・ソナタ 変ロ長調 Anh4』を聴いた。

ベートーヴェンの数多くある作品の中でも「フルート・ソナタ」という作品は、これが唯一の作品である。

この作品もベートーヴェンの作品であるという確証が無い。楽譜には"Bethoe Sonata" と書かれている。"Bethoe"は名前の"Beethoven"に近い綴りである。ボン時代のベートーヴェンは自分の名前を"Bethoven"と"e"をひとつ少なく書いていたという説もある。

もしこの作品がボン時代のものであれば、名前の書き方の癖を考えると、"e"がひとつというのは合う。しかし、"o"以降が異なるのだ。なのでベートーヴェンが書いたという断定はできないということだろう。

この作品は、ベートーヴェンの遺品の中から見つかった。自分の作品を残しているのはわかるが、もし他人の作品を死ぬまで大事に手元に置いていたとすれば、よほど気に入っていたものか、それとも、ため込んでおいたまま忘れてしまって放っておかれた作品かのいずれかだろう。

まだ若いころの作品だったとして、内容は確かに少し単純なのかもしれないが、多くの変化がある楽しい第1楽章や、優雅な第3楽章は聴きどころである。


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