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ベートーヴェンを毎日聴く300(2020年10月26日)

『ベートーヴェン/「山の呼び声」WoO147』を聴いた。

この作品はベートーヴェンの友人で甥カールの寄宿学校の校長カイェタン・ジャンナタルジオ・デル・リオの娘アンナのために書いた作品。

ある日、アンナと姉のファニーがベートーヴェンと遠足に出かけた。その時、見晴らしがよい場所に立っていたのだが、ベートーヴェンは紙の切れ端を取り出し、この曲をササっと書いたのだという。

手書きの楽譜は代々宝物として大切に保管されて、今も残っているが、話そのままのように紙切れにササっと書かれている。

「フィデリオ」の台本作家でもあるフリードリヒ・ゲオルク・トライチュケの詩はこういうもの。

もしも僕が小鳥だったら、ふたつの翼があったのなら、君のところへ飛んで行くのに。でもそれができないから、ここでじっとしているんだ。
もしも僕が星だったら、たくさんの光を放ったら、君を輝かせるのに。そしたら、君は優しい顔をして、私を迎えてくれるだろう。

「もしも」が次々と出てくる。「小川だったら」「夕暮れの風だったら」・・・

詩も可愛らしいが、音楽も可愛らしい。すごく初々しい、少年の歌の様に感じる。

この作品をササっと書いたベートーヴェン。女性たちとの遠足は、とても楽しいひと時だったんだろうな、と想像してしまう。

hjrivasによるPixabayからの画像

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