ベートーヴェンを毎日聴く355-2(2020年12月20日)
『ベートーヴェン/前奏曲とフーガ ハ長調 Hess31』を聴いた。
弦楽四重奏による前奏曲とフーガ。
このころはヨハン・ゲオルグ・アルブレヒツベルガーの元で、作曲技法のなかでも根幹の音楽理論「対位法」を中心に勉強をしていた。
前回記載した「前奏曲とフーガ Hess30」と同じ時期に作られたもの。でも雰囲気がかなり違っている。
Hess30はどちらかというと室内楽的な雰囲気だが、こちらのHess31はもう少し大きい、シンフォニックな雰囲気を感じる。
ゆったりと、そして堂々とした印象もある前奏曲はベートーヴェンの自信のようなものが現れている。
続いて現れるテンポが速いフーガは爽やかさもあり、重なり合いながら駆け上がっていくもの。これもベートーヴェンの上昇する気分を表しているようにも思える。
ベートーヴェンは25歳。モーツァルトのような早熟で神がかりな天才ではないが、勉強の段階でも、音楽をこれまでとは違う、新たな方角へ向けていこうとする予感がすでに感じられるのである。
David MarkによるPixabayからの画像
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