見出し画像

ベートーヴェンを毎日聴く289(2020年10月15日)

『ベートーヴェン/「想い」WoO136』を聴いた。

詩はフリードリッヒ・フォン・マッティソンによる。ベートーヴェンは「アデライーデ」や「奉献歌」など、マッティソンの他の詩にも曲をつけているので、お気に入りの詩人だったようだ。

私はあなたを思う。木立の中でナイチンゲールが鳴く時。いつあなたは私のことを思っているのだろうか?
私はあなたを思う。黄昏の夕陽が映る泉のそばで。どこであなたは私のことを思っているのだろうか?
私はあなたを思う。苦悩と憧れを抱きながら流す熱い涙で。どのようにあなたは私のことを思っているのだろうか?
おお、どうか私のことを思っていてくれ。どんなに離れていても一緒にいることができるまで。

いつも、どこでも相手のことを思っている。そして、いつ、どこで、どのように、相手は私を思っているのか。気になって仕方がないという熱い熱い思い。

爽やかで瑞々しい音楽で始まるのだが、それだけですんなりとは終わらない。徐々に感情は熱を帯び、各節終わりのフェルマータにより高まりは頂点を迎える。

恋多き男ベートーヴェン。この作品を書いた頃、熱いラブレターを書いた相手ヨゼフィーネのことを諦めている。作曲しながら女性のことをイメージしていたとすると、まだ未練が残るヨゼフィーネのこと?。それとも新しい別の女性のこと?

答えはわからない。

용한 배によるPixabayからの画像

この記事が参加している募集

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?