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ベートーヴェンを毎日聴く197(2020年7月15日)

『ベートーヴェン/「喜び手もてグラスをあげよ」WoO109』と『ベートーヴェン/「ポンスの歌」WoO111』を聴いた。

2曲とも親しい仲間と共に酒を楽しむ際に関わる作品を聴いてみた。作詞者は双方とも不明である。

「喜び手もてグラスをあげよ」は、"今は別れる運命だがグラスを手に陽気に飲んで歌おう。別れるものの我々の友情は壊れることはない"というような詩なので別れに際しての作品である。ベートーヴェンがウィーンへ旅立つ際に催された送別会にでも歌われたのであろうか。とても力強く歌われる作品はグラスを高く上げながら皆で歌いたくなるような曲である。

「ポンスの歌」に出てくるポンスとは、今でいえばポンチとかパンチと呼ばれる酒のことで蒸留酒に柑橘類の果汁を混ぜたカクテルのこと。原語歌詞はPunschと書かれ発音はプンシュと聴こえるのでポンスは日本語の呼び方であろう。調べてみると江戸時代にはポンスと呼ばれていたようで後にポン酢の語源にもなったようだ。

こちらも先の「喜び手もてグラスをあげよ」と同じ時期にかかれたようなので、双方ともベートーヴェンの送別会で歌われたのであろう。グラスにはポンスが注がれていたということになる。

昨年聴いたときには、今頃は友と酒を飲む機会が再び来ているだろう、と思っていたのだが、まだしばらく時間がかかりそうでとても残念である。

Tomoyuki MizutaによるPixabayからの画像

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