ベートーヴェンを毎日聴く355-1(2020年12月20日)
『ベートーヴェン/前奏曲とフーガ Hess30』を聴いた。
弦楽四重奏による、前奏曲とフーガの2部構成による作品。ベートーヴェンは生まれ故郷のボンから音楽の都ウィーンに出てきて、様々な音楽知識を吸収して、それを活かした自らの表現をし始めていた。この作品もその頃作曲されたもの。
弦楽四重奏の作品はボンでも作曲していた。それは「弦楽四重奏のためのメヌエットWoO209」である。
聴き比べると、当然ではあるが飛躍的に密度が濃い出来になっている。ベートーヴェンが知識を吸収していったことが充分にうかがえる。
特に後半のフーガは、それまでにあったバロック音楽的な、機械的にも思えるフーガとはちょっと違うようにも思える。偉大な先人が残した作品も研究して、その過程では模倣もしたであろうが自分らしさを加えている。
ベートーヴェンの傑作が揃った弦楽四重奏作品が手掛けられるのは、もう少し時間を置かなければならなかった。
学びながら様々な形態の作品を作り、そして、徐々に作品の評価がされ始める。弦楽四重奏曲は単純な編成だが作るのが難しいと聞いたこともある。手掛けるには、忙しさもあり十分な余裕が無かったのかもしれない。
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