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ベートーヴェンを毎日聴く357(2020年12月22日)

『ベートーヴェン/歌曲「おお、希望」の主旋律(ルドルフ大公への変奏曲主題)WoO200』を聴いた。

ベートーヴェンの弟子であったルドルフ大公。この作品は、作曲の技法を習得させるためにベートーヴェン自身が作曲したもの。いわば課題曲である。

元は歌曲であったようで
O Hoffnung, du stählst die Herzen, du milderst die Schmerzen
おお、希望よ、あなたは心を鍛え、あなたは痛みを和らげる。

という歌詞が付いていた。

この曲を元にして何を勉強したかというと変奏曲の勉強であったようだ。ベートーヴェンは変奏曲マニアと呼べるのではないかというほど、若いころから即興で変奏曲を演奏し、また作品として作曲していた。それほど思い入れがある変奏曲。ルドルフ大公への指導もきっと厳しかったのではないかと思われる。

この主題を与えられたルドルフ大公は、なんと40もの変奏曲を作ったという。これにはベートーヴェンもきっと予想外だっただろう。とても喜んだという。

我々が、ある単純な旋律を40パターンものアイデアを出して変化させるというのは、簡単にできることではないと思う。ルドルフ大公はベートーヴェンの教え方が良かったというだけでなく、作曲のセンスも高かったということが判るエピソードである。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

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