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薬剤料の計算方法

今回は、薬剤料の計算方法とルールについてお話します。

日々の業務ではコンピュータが計算する為、自分自身で計算する機会は少ないと思います。ですが、計算方法を理解していれば様々な面で役に立ちます。患者さんなどから説明を求められた際にも、理解していることで分かりやすく説明できることで患者さんも安心して納得していただけます。どのように成り立っているのか知っておいて損はないと思います。

では、簡単に解説させていただきます。

◇計算のルール◇

 ① 計算は所定単位ごとに行う
内服薬・浸煎薬=1剤1日分
頓服薬=1回分
外用薬=1調剤
これらが所定単位です。
 
内服薬の1剤とは服用時点が同一のものになります。朝食後や毎食後といった服用するタイミングのことです。服用時点が異なれば2剤となります。
 
② 小数点以下は五捨五超入
薬剤料、つまり点数計算するにあたり定められているのは
薬価15円以下=1点
薬価15円を超える場合=10円またはその端数を増すごとに1点加算
 という内容です。
これが五捨五超入です。
薬価である「円」から、薬剤料の「点数」に換算する場合は薬価を10で割り、
算出された値に対して小数点以下を五捨五超入します。
〈例:薬価25円=2.5=2点 薬価25.1円=2.51 =3点〉

③ 所定単位ごとの点数に投与単位を掛ける
例1.
Rp1)A錠15mg 3錠 (1錠5.6円) 分3毎食後 7日分
Rp2)B錠10mg 3錠 (1錠3.6円) 分3毎食後 7日分
 
服用時点が同じなので所定単位は1剤となります。また、内服薬は服用時点が同じであり、さらに投与日数も同じ場合は1調剤とされます。よって、今回は1剤1調剤になります。
 
計算方法は「所定単位ごとの点数 / 10 × 処方日数 = 点数」です。
 
①    所定単位ごとの薬価を合算 = (5.6円×3錠)+(3.6円×3錠) = 27.6円
②    点数に換算(五捨五超入) = 27.6/10=2.76 = 3点
③    処方日数を掛ける 3×7= 21点
したがって、薬剤料は21点となります。
 
例2.
A軟膏 5g (1g 19.1円)
B軟膏 20g (1g 3.61円) 混合 1日2回 塗布 
※外用薬の場合は、混合する場合は1調剤となります。
 
①(19.1円×5g)+(3.61円×20g)=167.7
②167.7/10= 16.77 = 17点
外用薬なので投与単位は1調剤となり、薬剤料は17点となります。

以上が薬剤料の算定方法となります。実際は薬剤料以外に処方料など様々な加算をしたり、逓減などのルールを経て最終的な請求点数になります。診療報酬は細かく定められており、難しいと感じることが多いと思います。ですが、理解して自身の強みにしていくことが大切です。診療報酬の解釈などでわからないことがありましたらご相談ください。

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