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2020アルバム制作ノート 10

Blues,Jazz...

 ひとつのメロディーが閃くとき、大抵の場合それはハーモニーやリズムからなる「雰囲気の流れ」の中にある。その雰囲気の流れを共有する「他の音」とそのメロディーが響き合って「ひとつの音楽」が生まれていく。
 即興の作曲であるアドリブにおいては、瞬間的に生まれたメロディーが強いハーモニーやリズム感を伴いながら、その楽曲本来の「雰囲気の流れ」や「他の音」と融合し「ひとつの音楽」となり、さらに発展する。

 Bluesの持つ「雰囲気の流れ」はJazzそのものをイメージさせる。
とても強いイメージなので、メロディーが次々と閃く。
 しかし次々と浮かぶ閃きの流れに自分にとっての「新しさ」や「面白さ」、「美しさ」が盛り込まれているかというと、なかなかそれは難しい。Bluesのオープンで自然な雰囲気の中での創作には、常に能動的な姿勢とクリエイティビティが必要だ。
 Bluesはとても身近にあって、でもとても深くまで沈んでいくことのできる「唄」なのだ。

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”Blue Blues"

 新曲”Blue Blues"のテーマメロディーは、説明のつかないハーモニーと小節線にあまりこだわらないリズムから出来ている。僅かな「ズレ」を生じさせるためのアイデアだ。
 この「ズレ」た感じのテーマから発展するインプロビゼーション(アドリブ)の世界もきっととても際どく危うくなるだろう。危ういがBluesの安定した「雰囲気の流れ」も存在している。アンバランスな世界、なのである。今後の広がりがとても楽しみだ。

 ブルーなブルース。意味はいろいろある。
不思議なイメージを残したいので、その意味は聴く人それぞれの想像に任せることにする。

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