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スウェーデンはジャムセッションが熱い<Stampen>スウェーデンでジャズを浴びる10

「デンマークとスウェーデンで北欧ジャズを全身で浴びる旅」をピアニストの視点からレポートする、第10回はスウェーデンの首都、ストックホルムの Stampen のジャムセッションです。


ストックホルムは初日から熱いスタートとなった。フライト中に割れて転がらなくなったスーツケースを、マイナス10度の寒さの中、ホテルまで抱えて疲れたので夜は休もうと思っていた。ところがジャムセッションを見つけてしまったら行くしかないよね(笑)それが大正解となる。

9時半ごろ到着、旧市街エリアにある Stampen

店に入り、あーやっぱりね、ここでも満席以上。入店無料でドリンク注文も自由だけど、タダでセッション参加も大人げないので とりあえず Budvar というラガービールを頼んで 82 SEK にエクストラ足して 90 SEK 払った。エクストラなしだと 1100円くらいなので、デンマークよりかなり安くて嬉しい。

ステージもう誰がホストか分からない状態で「次やらせろ」と言ったもの勝ちでメンバーや編成がどんどん入れ替わる。そしてみんな若い!みんなかなり、上手い!これには驚いた!フロント主導で曲が決まっていく。初心者はいない、中級者がちらほら、あとは上級者。ボーカル無、バラード無。犬もいる。タイムのずらし方、音のずらし方がクリエイティブだ。フレーズやソロの全体の構成力もある。絡む、盛り上がる。速い曲が多い。ソロ長いので1曲10分から15分かかる。

No greater love 若いセクステット
East of the sun ギターうまい サックスうまい ピアノうまい 4バースない
Blue monk きょうの一番遅い曲
It could happen to you(参加)
Santa Claus is coming to town(参加)
Love for sale
Ornithorogy
Bb ブルース
Stablemates

もはや遠慮するわけにも行かないので、ステージに上がってピアノいいか、と頼んだら Take it away と簡単に変わってくれる。It could happen to you を提案。終わってもだれもピアノ来ないのでラッキーもう一曲できるわ。そこへクリスマスソングをやれ、というオーダーが。このひとがたぶんホストのベーシスト。フロントで相談し、サンタが街に、をやることに。キーは Bb に決定。ドラムがテンポを提示したので、ここは主導権とるために勝手にイントロを弾き始めることに。ペダルトーンのタイプで弾くとそこにギターとベースも乗ってきた、よかった、イントロで少し遊んだ後はテーマへ。しかし、こういうあっけらかんとした曲は苦手だなあ。終わったらピアノ弾かせてくれと来たので交代。演奏中にビールが消えていた(笑)

席に戻って、近くにいたスコットランドとイングランドからの旅行者と話す。バーでお一人で飲んでいる方がスウェーデン多いと思う。街中でアルコールを買うのが難しい事情があるのかもしれない。カップルがイチャイチャするために来てるけど誰も気にしない。聞き専が多い、というよりは、ジャムセッションの熱いステージを感じながら飲みに来てる印象。拍手と歓声はすごい。

終わってから参加ミュージシャンとも話した。みんな気さくで優しくて楽しそう。大学生、アマチュア、プロ初心者、バリバリのプロ、いろんな男女がいた。木曜には Fascing というストックホルムの超有名ライブハウスでもセッションやるから来いと。むふふ、な展開!(笑)行くしかないね。

毎週火曜のジャムセッション、ラストはハウスバンドが演奏し 23:40 にお開き。デンマークよりは夜が早いのね(笑)

最後はハウスバンドで締める、このピアノさんはプロのキャリアをスタートしたところ、と言っていた、とってもクリエイティブでいいピアノだった

ベースが5人くらいいただろうか、ピアノも5人くらい、ドラムも5人くらい。ギター3人、テナー2人、トロンボーン2人、トランペット1人。お客さん延べ80人くらい。Stampen の火曜セッション、超おすすめだ。

もう少し話して 24:40 頃に店を出た。石畳が凍ってツルツルなのでゆっくり歩く。電車あるのかな。コペンハーゲンに比べると何となく地味な印象のストックホルムだが、初日からこの展開。スウェーデンのジャズシーンはヤバそうだ。


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