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コミュニティは、決まりで縛ってはいけない。トラブル勃発編

株式会社NASUにて、コミュニティ事業を担当している浜田綾です。私にとってのコミュニティ運営の原点となる育児サークルでの出来事をnoteにまとめています。前回のお話はこちらから。


サークルの会長になる

居心地のよい育児サークル「たんぽぽ」に入ったおかげで、私の育児生活は快適になりました。居心地が良すぎて、長男・次男合わせて通算6年在籍したわけですが(未就園児限定のサークルなので幼稚園に入る時に卒業となる)、6年目の時に直面したトラブル、そこから学んだことを書きます。

PTAとかどの組織でもあるように、このサークル内でも役員があるのですが、会長は毎年不人気で立候補する人はいませんでした。その頃の私は、今よりももっと組織を仕切るのも引っ張るのも苦手だし好きじゃないけど、その年はサークル在籍6年目。私にとっても次男にとっても最後の年、だからせめてもの恩返しだと思って引き受けることにしました。

と、さも偉そうに書いてみたけど、会長って決まった仕事は特になく、町内の会報(このサークル自体が自治会の組織なので)に連絡先を載せる窓口としての役割程度なので、名前の割にはある意味楽な役……でした、かつては。


サークルへの風当たりがきつくなってきた

しかし、ここ数年、町内の自治会長が交代して子育て世代に対する風当たりがきつくなりました。このサークルも例外ではなく。

・サークルのおやつの時間に食べるお菓子の食べこぼしがひどい
・サークルが終わった後、近くの広場で遊ぶ子ども、ママの声がうるさい

など指摘を受けるようになりました。もちろん改善すべきところは、都度みんなで話合い直してきました。それプラス、サークルの会長が菓子折りを持って自治会の偉いさんに謝りに行くことも。だから、この先、仮に何か面倒なことがあるとすれば、自治会からのクレームくらいかなって漠然と思ってましたが、思わぬ出来事が起きました。


突然の勧誘チラシに?

ある日のこと、町内の回覧板の中にお知らせが入っていました。それは「たんぽぽ」の勧誘チラシ。「町内の自治会館で、こういう活動をしています。ぜひ入りませんか?」という文言とともに、前年度のお別れ会の時に撮影した、総勢20組くらいの親子が写ったメンバー写真とともに構成されていました。


ん!?


私、一応会長なんだけど、チラシの存在を全く知らなかった。チラシを読み進めるとお問い合わせの窓口は私ではなく、別の人。


あれ?
そんな話あったけ?


最初は事態がよくわかりませんでした。


価値観で繋がる人のみ集まればいいの方針

このサークルは町内の人しか参加できない組織なので、積極的な広報活動はせず入会はほぼ口コミです。一応町内の広報誌には定期的にサークルの名前と活動内容が掲載されるから、そこ経由でくる人も多少はいます。そういう方法でだいたい毎年年度の終わりには20組くらいまで親子が増えます。広報、勧誘活動自体がだめってことではないんです。数年前にも年度初めにサークルの人数がかなり減った時に「広報活動をするべきか?」とサークル内で話になった時、先輩ママがこんな話をしてくれました。

・サークル内で、本を読んだり手遊びをしたりする活動は参加するお母さんたちが週替わりの当番制。皆で運営に関わるシステムだから、そういうことが嫌なママさんも一定数はいるだろう

・いろんな価値観がある中で、これまで口コミだからこそ同じような考え方のママが集まってきて長く続いてきた

だから、積極的な広報活動はこれまでしてこなかったらしいのです。私が会長を引き受けたその年も人数は減りましたが、「まぁそのうち増えるだろう、そもそも人数少なくても別に困らないし……」私はこう思っていたけど、今思えばそういう話をみんなにしておけばよかったのかもしれない。チラシの主は、サークルの人数不足を心配してくれていたようでした。


私不在の際の出来事

その年私は、長男のPTA役員もしていて、このチラシが配られる直前の週はサークルを欠席していました。だから休んでいた時になにかあったのかもしれないと思い、信頼しているママ友MさんにLINEでいろいろ聞きました。Mさんいわく、チラシが配布される前の週、サークル内のママ2名ほどが急に

「たんぽぽの人数を増やすため、それから町内でこのサークルの存在を知ってるはずだけど参加してない人がいるからそういう人のために活動内容がわかるチラシを作りたい」って話を持ち出したそうです。

Mさんは
・昔ほど地域の人がこのサークルと子どもに寛容でないから、やるなら慎重にした方がいい

・お母さんが当番制で手遊びなど仕切りをしていることも明記したほうがいい。入ってみたけど「なんか違う」って齟齬につながらないように

この2点を言ってくれてそうです。彼女たちはそれでもチラシを作りたいとのこと、さらに「チラシに活動写真を掲載するけどいいですか?」って話はその日出席していたメンバーにだけ聞いたらしいです。


うーーーーーん。

この話を聞いて沸き起こった疑問が3つ。

その1:人数は多い方がいい?
勧誘方法について、これはもう考え方の違いだから何も言えない。知られたいというのはわかるけど、私は考え方が近い人を口コミで集めるだけで十分だと思うし、無理に広げていろんな人が集まる方が運営が大変だと思う。町内のサークルだから補助金が多少出るんですが、これは人数関係なく頂戴しているので別に人数が増えても減ってもサークルがなくなるとか、金額の負担が増えるとかはないんです。


その2:サークルの存在を知りながら入らない人もいるよね
「たんぽぽの存在は知ってたけど、当番が嫌だから入らなかった」って人を現に何人も知ってるから、サークルの存在を知りながら入らない人へのアプローチが必要なのか疑問なんです。当番もそうだけど、そもそもママ友とつるむのが嫌って人もいるはず。来ない人には来ないなりの理由があるのに、わざわざそこへの対応をする必要があるのかなと。


その3:顔写真の掲載
前年度のお別れ会の集合写真が載ってました。私は気にしないタイプですが、配布範囲は狭いとはいえ、このご時世いろんな考えの人がいるはず。顔写真を載せるなら全員の同意を取るべきだと思うけど、その日いたメンバーにしか聞かなかったらしい。こういうことは、もうちょっと慎重にやるべきなんじゃないか?


別に長年この方法でやってきたから、これからも同じ方法でないといけないとは思ってない。彼女たちもこのサークルのことが好きで良くしていきたいって気持ちでしょう。そこは私と同じ。だけど方法に疑問を感じる。


みんなでの話し合いが、圧倒的に足りてないんじゃないか!?


ゆるい集まりとはいえ、「みんなで話し合い参加する」がスタンスのこのサークル。噂によると20年以上も続いてるらしい。その精神に反する行為をされたことが私は嫌だった。会長だからって特に何をしているわけでもないし、威張るつもりもないよ。確かに話が出た日私は欠席してたけど、連絡網だってあるし家もそこそこ近い。

連絡手段はいくらでもあったんじゃない?
根回ししたり、みんなの同意をとることって大事やん?
今までの経緯とかちゃんと説明できたし話し合いできたやん?
だってだってだって、いざとなったら責任取るのは会長の私なんだから!!


ちっちゃいことでカリカリすんな私、って思うけどでも嫌なもんは嫌で。とはいえ、相手はご近所さん。子どもは同級生ですからお付き合いはずっと続くでしょう。どうすればいいんだろう……。


そう考えた時に閃いたのは、会則でした。


思えばこのサークル20人程度とはいえ、会則的なものが一つもない。活動の引き継ぎは、日々の議事録を見ることと、先輩ママからの口承での引き継ぎのみ。だから考え方に差異が出るのではないか!?


だから、いけないんだ。
だから、こんなことになるんだ。
そうだ、決まりを作ろう。

いちいち聞かなくとも読めばわかるようなピシッとした組織にするための決まりを作ることが、会長の私がやるべきことだ。そう思い私はママ友と一緒に会則作りに着手しました。



続く!



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