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コミュニティは、決まりで縛ってはいけない。強硬策発動編

株式会社NASUにて、コミュニティ事業を担当している浜田綾です。私にとってのコミュニティ運営の原点となる育児サークルでの出来事をnoteにまとめています。

1本目

2本目


話し合いを試みる

広報に関する考え方の違いがきっかけで、息巻いてサークルの会則を作ることを心密かに決断したわけですが、その前にチラシ作りをしていたママ友と話をしました。

1️⃣このサークルは自治会の組織であること。
→人数が減っても場所代はかからないから、経営的に困難になることはない

2️⃣自治会の組織の中のサークルなので、参加条件もそこに依存する。
→話をしている中で、回覧板だけでなく、大きめのスーパーにもチラシを貼りたいという提案があったのですが、広報したところで、結局同じ町内の人しか入れない

3️⃣サークルでの活動のお当番は強制ではない。
→負担であれば、変えてもいいと思う。本質的に大事なのは同じ地域にお友達が増えることだから


彼女たちは上記の3点を知らなかったとのことでした。だから、

人数が増えない→
サークルの経営が困難になる→
人数が少ないと当番の負担もしんどくなる→ 😱😱😱

という発想に至ったらしい。なるほど、それは焦りますよね。ただ、上記の3点を説明しても

「人はもっと増えて欲しい」
「当番の負担を減らしたい」
(当番がしんどいというより、当番をしたくない人を理由にサークルに入らない人を減らしたい)

という気持ちは変わらないらしく、広報作戦は続けたいと言われました。


うーん。
確かにそれもいいのかもしれないけど、心の底からは賛成できない自分がいました。このサークルって、人数がバリバリ増えてワイワイするってよりは、地域のお母さんと子供の友達が増えて心の拠り所になる居場所だから。無理して増やす必要はないんだけどなぁ。無理して来てもらうよりも、本当に納得してここのサークルが好きだと思える人と交流したほうが居心地がよくないかな?  そう思って話をしても、結局平行線であんまり理解してもらえないし、なんだか話し合ううちにギクシャクしてきた気がした。これ以上あれこれ言って空気が悪くなるのは嫌だ。でもこういう意識の違いが元で揉めるのも嫌だ。


強硬策を発動

というわけで、私の心は決まりました。今回チラシを作るのは進めてらったらいいけど(顔写真掲載の許可はちゃんと取ってもらうことにしました)、次からは意識に違いが生じないよう、今後はあらかじめ決まってることは明文化する。

話し合いがまとまらないことに耐えかねて、私は強硬策に出ました。いや、当時の自分からすれば、そんなつもりは全くなくて、ただこれ以上ギクシャクするのが嫌だったんです。でも今思えば、決まりで縛りつけようとしていた気がする。

上記のルールはどこかに明文化されているわけではなく、私もなんとなく他のママ友から聞きました。私はこのサークルに6年在籍していたし、それに今も昔も自分が好きな居場所のこは知っておきたくて、関心が強かったから自然と耳に入ってきました。でも在籍年数が長くない人はそれを知らない。だから意識の違いが生まれる。

だったら、はっきりとルール化して「伝わってない」「知らない」を無くす。いちいち言わなくても、聞かなくても読めばわかる。話が通じない人にはこれしかない。そう決めて、仲良しのママ友と二人で会則作りに着手しました。


増えていく会則

最初は上記の3点だけのつもりが、いざやり始めると「あれも書いておいた方がいいよね?」「これってどこにも書いてないから不便だよね」ということが増えました。


例えば、サークルの活動場所である自治会館の鍵は、自治会館から地理的に近いママさんが鍵を預かる、サークルのある水曜日の朝10時に一番最初に来た人が鍵当番のママ友から鍵を預かって鍵を開ける、というルールがありました。でもこれも明文化されておらず、なんとなく知ったこと。


毎週の活動の中で食べるお菓子に決まりはないけど、アレルギーがあるお子さんのことも考えて「ぱりんこ」が無難、とか。


お誕生日会のケーキは、リーズナブルでシンプルな「スイスイロール」を買います。一番近所のスーパーでは、本数が多いと入荷されてないことがあるから事前予約しておくこと。


などなど……、一個一個は取るに足らないけど、細かな決まりが多いんです。もちろんこれらの決まりは変えてはいけないわけじゃないけど、変える理由がないなら継承されますよね。ただその継承方法が毎週の簡易的な活動記録メモor口承のみ。


これって不便じゃないか?
こういうことが多すぎるから、今回みたく意識に差が生まれるんじゃない?


そう思ったから、気づいたこと、ちょっとした不便なこともぜーーーんぶ会則に盛り込みました。これさえ読めばイチイチ質問しなくてもすむし、意識の違いが起きないはず。ただ、作れば作るほど長くなってしまい、最初はちょっとした覚書のつもりが、気づけば5ページ以上の規則になってました。


仕方ないじゃないか。
話が通じないなら、決まりをつくるしかない。
「決まりだから、これを読んで」って読んでもらったら、考えの違いで揉めることもないじゃないか。


そうこうしているうちに、会則は完成しました。サークルのみんなに会則のことを話をするか検討していたある日。近所を散歩していたら、ある親子連れに出会ったことで、考えが大きく変わります。


次回で完結します。


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