女は30を過ぎると虚勢を張るのか

これまで私は何十という転職を繰り返してきた。
よく言えば好奇心が旺盛でやりたいことがどんどん溢れて
青く見える隣の芝生にどうしても飛び込んでみたくなって
「ここにいなくちゃ」と思えば思うほど気持ちが抑えきれなくなって
行動力があるばかりに飛び込んでしまう

飽きっぽくて根性のないどうしょうもないダメ人間

そんなことはさておき
毎度職場には「大変お世話になる人」と「どうしても嫌われる人」がいて
20代前半のころからどうしても30代後半の先輩が苦手だった。

こちらが苦手が先か相手の言葉に傷ついたり敏感になるのが先か
これは卵か鶏か。

今の職場にもいる。
事業部も違うし全くと言えるほど関わる事がなく今のところ無害だけど
デスクの島が隣がゆえに毎日いろいろ聞こえてくる
話したことほぼないが既に私は彼女を恐れている。

彼女は相手業者との電話で相手を詰めまくる。
きっと相手側が辻褄の合わない事言っているんだろうし
きっと何度も同じミスをされてイライラしているんだろう
にしても毎回詰めて詰めて詰めまくっているから
聞いていてこちらがそわそわする
怒られない様にしよう。て思う。

彼女と向かいの男性社員もいつも詰められている。
彼のミスなのかどうかはよくわからない。
彼女よりも先輩のはずの男性社員は
「そうですよね。すみません」と言って反発しない

「私が大手化粧品会社にいた時は」
これが彼女の口癖
「どうします？いいんだったらいいですけど効率は悪いですよね」
これも彼女の口癖
経験があって知識がある。ゆえに横暴に振り回し理解の低い人を標的に
自分の実力を投げつける
いままでの職場で出会ったお姉さんたちもそうだった

でもこの会社の彼女には弱点がある
社内に好きな人がいる。隣の隣の席の中野さん。

中野さんがくれば一気にごきげんな声になるし
中野さんがいる日は彼女はそんな話し方をしない
可愛いやつめ。

自分が30歳になった年
自分も後輩にあたっている事に気付いた。
分からないことが当たり前の後輩に「どうしてわからないの？」って
思った時、あの頃の先輩の気持ちがようやく理解できて
驚いたし、なりたくなかった自分の姿に自分の言動を改めた。

年月が経てば見るもの食べるもの知る事が増えて常識が変わっていく
”大したことない自”とわかっていればわかっているほど
見下されたくはないし
認められたい。
自分の居場所を確保するために必死に看板を大きくして
その看板を見てもらおうと看板を大きく振る。

大人になる事は苦しくて恥ずかしくて楽しい