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自閉症の子どもと新型コロナ感染について#4 自宅療養終了

webライター、はらのです。
自閉症の甥を発端として家庭内感染が広がりましたが、おかげ様でようやく落ち着いてきました。
新型コロナに振り回された形となりましたが、小学生の甥は9/1に自宅療養終了と同時に新学期スタートです。

なんとか一段落着いた所で、自宅療養中「こうだったらよかったな」と思ったことについて振り返ってみます。

ハンドブックの配布

栃木県では自宅療養者・同居家族向けのハンドブック等の配布はありませんでした。
むしろハンドブックを配布する自治体は、全国的に見てもあまりないのではないかなと思います。

実際当事者になった場合に細かい部分で「これどうしたらいいの?」と迷うことが多くありました。
今はデジタル化が進んでいることもあり、ネット検索すると各自治体のハンドブックがズラっと表示されるのですが、有事の際にはやはり現物が欲しい。

そもそもほぼすべてPDFファイルのため、スマホからでは逐一DLしなくてはならないのも億劫。
中高年者の中にはネットが不得手という方も多いですから、DLしてもファイルを開く方法が分からない方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

▽因みに…
PCR検査後、濃厚接触者向けにコロナ禍における、災害発生時のマニュアルは配布されていました。
それもいざというときに役立つものですが、まず目下の家庭内感染に対処しなくてはいけないのだから、どうせなら一緒にハンドブックを配布してほしかったですね。


家庭内の陰性者には一切連絡がない

陰性者には結果通知後一切連絡がないのも、ハンドブックが欲しかった理由の一つです。
同居者すべて陰性であったり、少人数及び一人暮らしであればあまり必要ないかもしれません。

しかし同居人数が4人以上いて、陽性と陰性が半々に分かれてしまった場合、多くは陰性者が看病・お世話に当たることになります。
この状況でどのように対応すればよいのか、陽性者経由とネット上でしか情報が得られないのはかなり不便です。

陽性者が同じ部屋に2人以上いて、各々保健所からの電話に応対しているというのは、奇妙な光景でありましたし、もどかしさも感じました。
いつ重症化するか分からないため放置出来ないのは重々承知ですが、それは同居家族も意識している所でもあります。

保健所の負担も考えると、同居家族に細かい対処を委ねても良いのではないでしょうか。
急激な新種の家庭内感染増加に伴い、体制が整わない所も多いとは思うのですが、今後の同居家族者向けの体制調整が進むことを望みます。


後遺症について

新型コロナウイルスは、感染したら高熱と関節の痛みで動けなくなる、と思っていましたが、実際は個人差が非常に大きいです。
甥は無症状、父と義兄は軽症、姉が中等症といった具合だったでしょうか。
各々なんとなく後遺症があるように感じます。

▼甥 / 無症状
甥は無症状だったのですが会話出来ませんから、ふとした時に咳き込んでも、後遺症のような状態なのかどうか判別がつきません。
取り敢えず食欲旺盛で、家中を元気に走り回っているので目に見えての変化はないようです。
余談ですが自宅療養解禁後、日課だった「甥のほっぺたムニムニ」をしたら、ものすごく照れてもじもじしてるのが最高に可愛かったです。

▼父、義兄 / 軽症
軽症だった二人は、自宅療養終了直後はやや鼻声+咳をしています。
鼻声は段々落ち着いてきたのですが、以前より咳き込んでいるので後遺症だと思われます。
それ以外は特になく、咳自体もそれほど気になる頻度ではありません。

▼姉 / 中等症
うちで一番症状が重かった姉は、かなり後遺症があるようで本人も自覚しています。
倦怠感、めまい、疲れやすい、咳、体の痛み、とよく聞く症状が続いている状況です。
特に背中の痛みが酷いようで、自宅療養終了後も継続しています。
嗅覚及び味覚障害に関しては、自宅療養中に訴えていましたが、現在は特に問題ないそうです。


回復後の咳は後遺症

新型コロナウイルスの咳は、風邪やインフルエンザと違い、回復後もしばらく続くようです。
これは新型コロナウイルスが、風邪ではなく肺炎を発症させるウイルスだからでしょう。
罹患者は肺にダメージを受けてしまうため、後遺症として咳が続きますが、ウイルスが飛散することはありません。
そのため現在は『発症日から10日間』が自宅療養解除条件の主流となっているようです。

▼個人的所感
発症中と回復後の咳の大きな違いは、頻度と咳き込み方だと思います。
これは私が感じたことですが、新型コロナの咳と通常の咳とでは少し違いました。

通常の咳は「ゴホゴホ!」という感じで全体的に音が軽く、咳き込み始めに力が入る感じです。
一方新型コロナは「ゴッホ、ゴッ、ホ!」という感じで全体的に重く、咳き込んだ後、咳き込み終わりに力が入る感じです。

回復後は通常の咳に近い軽さを感じています。
念のため再度、陽性者のお世話をしていて個人が感じたことである、と明記しておきます。


大変だったこと

新型コロナの症状は思った以上に個人差が大きいため、家庭内感染が発生した場合、各人に合わせて対応することになります。
我が家の場合は陽性組1、陽性組2、陰性組と分かれて過ごしていたため、単純計算で手間は三倍。
特に大変だったのは食事関連でした。

▼食事を運ぶのがしんどかった
うちは7人家族、うち4名が陽性だったため4人分、そして2部屋に分かれていました。
これもう4往復で終わらないんですよね。
それを一日3回、プラス甥っ子用のおやつとなると、一日中ずっと汗だくでした。
自宅療養の前半は、ひたすら家中駆け回っていた記憶しかありません。

▼複数の献立地獄
自閉症の人は食に対するこだわりがある場合も多いです。
幸いうちの甥は、自閉症にしては比較的何でも食べてくれますが、大人とまったく同じ食べ物という訳にもいきません。
毎日中等症の姉と電話して、甥と姉、義兄は何なら食べられそうか相談していました。

▼入浴の順番
うちの甥はお水遊びが大好きなので、お風呂は一大イベントでした。
しかし、家庭内に陽性者と陰性者がいる場合、陰性者が先に入浴することが推奨されています。
7時前後に食事を用意して、食器を回収して、自分も食事を取って、としているとあっという間に8時過ぎ。
「先に入っていいよ」が出来ないため、追い立てられるように入浴するのが地味にしんどかったです。


職場への復帰の仕方

保健所としては、発症日から10日で自宅療養解除としています。
しかし会社側とすればそうも行かないんですよね。
家族のうち半数は、会社側負担で簡易PCR検査を行うことになりました。
この検査で「陰性」が出て、初めて職場への復帰が許される訳です。

これは自宅待機の陰性者からして見ると、疑問に感じることの一つです。
陽性者の多くは自宅療養中の賃金に関して、病気休暇や有給を当てるなどの対処をしてくれることが多いでしょう。
しかし濃厚接触者や陰性者となると、会社都合ではないとされることが多いです。

関連記事でも述べましたが、デルタ株の感染力は非常に強く、不可抗力での感染も増えています。
陽性者に対する補償は整ってきていますから、是非陰性者に対する補償ももう少し寛容になっていってほしいと思います。


陰性者の自宅待機を終えて

陰性者組も、大きな体調変化などなく自宅待機が終了しました。
今回の家庭内感染で思ったことは3つ。

・デルタ株の感染力は強い
・今は誰が感染してもおかしくない
・対策を取れば簡単には感染しない

陽性者と同居していても、対策をしっかり取れば簡単に感染しないものなんですね。
絶対そのうち陽性になるだろう、と思っていたのですが。
感染予防の大切さを改めて実感しました。


最後に

後遺症にも個人差があります。
姉本人曰く「1か月は体調戻らないと思う」だそうです。
自閉症などの障がいを持った子を育てるには、パワーがいるんですよね。
うちの甥も、甥本人なりになんとなく「ママがあんまり元気じゃない」と分かっているようです。

障がいは置いておいても、子どもにとってパパとママの笑顔が一番です!
どうか感染対策を万全にし、ご自愛くださいね。


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