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チームメンバーの物理的な距離では変革型リーダーシップが効きづらい?:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回はチームメンバーの物理的な距離と変革型リーダーシップに関する論文です。

テレワークが普及し、バーチャルチームが増えてきました。しかし、メンバーの物理的な距離(チームの分散)はチームコミュニケーションに課題をもたらし、それがチームパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

今日の論文

Team Dispersion and Performance: The Role of Team Communication and Transformational Leadership
チームの分散とパフォーマンス: チームコミュニケーションと変革型リーダーシップの役割
Small Group Research, 2019
Julia Eisenberg, Corinne Post, and Nancy DiTomaso

サマリ

  • 分散、チームコミュニケーション、チームパフォーマンスとの関係における変革型リーダーシップの調整役割を調査した

  • 結果は、変革型リーダーシップが分散の少ないチームでは有効である一方、極めて分散されたチームではその効果が限定的であることを示している

  • これは、変革型リーダーがコミュニケーションを促進する上での困難に起因する可能性がある

方法

  • 地理的に異なる分散構成を持つ53のイノベーションチームを対象に、分散の程度、リーダーシップスタイル、コミュニケーション、パフォーマンスの関係を調査するためのオンライン調査を実施

  • データは、チームメンバーとその利害関係者から収集された

わかったこと:
チームの分散と変革型リーダーシップのチームコミュニケーションへの影響

特に高度に分散されたチームにおいて、リーダーシップがコミュニケーションの質を効果的に維持できなくなることを示唆しています。

  • 地理的分散が進むにつれて、変革型リーダーシップがチームコミュニケーションに与える影響が減少することを示している

  • 変革型リーダーシップが高い場合、分散が進むとチームコミュニケーションが低下する傾向が強まる

論文から得た学びと活用場面

変革型リーダーシップは、物理的に分散されたチームでは必ずしも効果的ではないことがわかりました。特に、分散が激しいチームでは、変革型リーダーシップがコミュニケーションを十分に促進できず、その結果、パフォーマンスが低下する可能性があるとされています。

テレワークの浸透率など、バーチャルチームが進んでいる組織は一度リーダーシップの在り方を見直してみてもよいかもしれませんね! 

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