チームが成功するためにはミーティングのやり方がキモ?:論文レビュー
こんにちは、原田です。
今回は、チームミーティングの効果に関する論文です。
どのようなミーティングが、チームの成果(満足度、生産性、成功)に影響を与えるのでしょうか?
今日の論文
Meetings Matter: Effects of Team Meetings on Team and Organizational Success
ミーティングの重要性: チームミーティングがチームおよび組織の成功に与える影響
Small Group Research, 2012
Simone Kauffeld, Nale Lehmann-Willenbrock
サマリ
チームミーティングの効果を理解するためには、会議中のミクロレベルの相互作用プロセスを明らかにすることが鍵であると提唱
結果、問題解決や行動計画などの機能的な相互作用を示すチームが、会議に対してより満足しており、チームの生産性も高いことを示す
会議の相互作用プロセスがチームと組織の成果を形成することを示唆している
方法
92回の定期チームミーティングをビデオ撮影し、データをact4teamsコーディングスキームとINTERACTソフトウェアを用いて分析
チームおよび組織の成功変数は、アンケートと電話インタビューを通じて収集
わかったこと:
チームミーティングにおける相互作用プロセスが、チームの満足度、生産性、および組織の成功に与える影響
機能的な相互作用を示すチームは、会議の満足度が高く、生産性も向上していることがわかった。また、建設的な会議の相互作用プロセスは、2.5年後の組織の成功にも関連していた。逆に、批判や不満などの非機能的なコミュニケーションは、これらの成果に対して顕著な負の影響を及ぼしていることが示された。
問題解決に焦点を当てたコミュニケーション
会議の満足度: 問題解決に関連するコミュニケーション、特に「問題のクロスリンク(異なる側面や関連する要素を結びつけるコミュニケーション)」と「解決策のクロスリンク」が会議の満足度を高めることが示された
チームの生産性: 「問題のクロスリンク」、「解決策のクロスリンク」、「組織に関する発言」、「知識管理に関する発言」がチームの生産性を向上させることがわかった
組織の成功: 「問題のクロスリンク」、「解決策の差別化」、「解決策のクロスリンク」が組織の成功と正の相関を示した
進行に関するコミュニケーション:
進行をサポートする発言: 例えば、目標設定や確認などの発言は会議の満足度と組織の成功に正の影響を与えた
進行をサポートしない発言: 例えば、話の脱線などは、会議の満足度、生産性、組織の成功に負の影響を与えた
感情面に関するコミュニケーション:
プラスな感情的発言: プラスな感情的発言は、意外にも会議の満足度に負の相関を示した。これは、感情表現が個々の満足度を高める一方で、チーム全体の効率性を低下させる可能性があることを示唆している
マイナスの感情的発言: マイナスの感情的発言(他者への批判)は、会議の満足度と組織の成功に強い負の影響を与えた
行動志向のコミュニケーション:
プロアクティブな発言: プロアクティブな発言は、会議の満足度、生産性、組織の成功のいずれにも正の影響を与えた。具体的には、行動計画や責任を引き受けることに関する発言がこれに該当する
反対行動的な発言: 反対行動的な発言(不満を言うこと、責任逃れ)は、会議の満足度と組織の成功に強い負の影響を与えた
論文から得た学びと活用場面
チーム会議の相互作用プロセスが、チームおよび組織の成功にどのように影響するかがわかりました。特に、機能的なコミュニケーションは、会議の満足度や生産性の向上に寄与し、逆に非機能的なコミュニケーションは、これらに負の影響を与えることがわかった。
これらを踏まえると、チームのパフォーマンスを向上させるため、会議中の相互作用を改善するなどができそうですね!
また「非機能的なコミュニケーション(批判や不満など)が与える負の影響が、機能的なコミュニケーション(問題解決やプロアクティブな行動計画など)が与える正の影響よりも強いことがわかった」というくだりは、考えさせられるものがありました。改善の際も、プラスになる行動をやるだけでなく、マイナスの行動を減らす改善が重要そうです…
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