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緊急事態に対する迅速で正確なリーダーシップとは?:論文レビュー

こんにちは、原田です。
今回は緊急事態に対する迅速で正確なリーダーシップの在り方の研究です。

この論文では2つのリーダーシップの型を用いられています。
参加型リーダーシップ:メンバーに意見を求め、情報を共有し、チーム全体での情報処理や協力を促進する行動
指示型リーダーシップ:チームに明確な指示を出し、構造を提供し、コミュニケーションを確立する行動

今日の論文

Participative or Directive Leadership Behaviors for Decision-Making in Crisis Management Teams?
危機管理チームにおける意思決定のための参加型または指示型リーダーシップ行動?
Small Group Research, 2022
Corinne Post, Hans De Smet, Sjir Uitdewilligen, Bert Schreurs, and Jan Leysen

サマリ

危機管理チームにおける意思決定の正確性と迅速性を向上させるための参加型と指示型リーダーシップの相対的な価値を評価しています。72のチームを対象にランダム化実験を実施し、シミュレーションされた危機に対する管理を行わせた結果、参加型リーダーシップは未知の緊急事態において意思決定の正確性を向上させ、指示型リーダーシップは既知の危機において迅速な意思決定を促進することが示されました。これらの結果は、リーダーや危機管理専門家にとって有用な示唆を提供します。

方法

72の3人チームを対象に、参加型または指示型リーダーシップの条件下でシミュレーションされた危機管理シナリオを行わせ、意思決定の正確性と迅速性を評価しました。各チームは、既知および未知の緊急事態に対応する4つのシナリオに参加しました。

わかったこと:
リーダーシップスタイルとタスクの親しみやすさが意思決定の正確性と迅速性にどのように影響するか


参加型リーダーシップは未知の緊急事態において意思決定の正確性を高め、指示型リーダーシップは既知の緊急事態において意思決定の迅速性を高めることが確認されました。また、参加型リーダーシップは既知の危機において正確性を損なうことがあり、指示型リーダーシップは未知の危機において意思決定の質を低下させることが示唆されました。

論文から得た学びと活用場面

状況に応じたリーダーシップスタイルの適応が重要であることを示唆されています。危機管理チームのリーダーシップトレーニングにおいて、場面に応じたリーダーシップの使い分けを練習してみるのもよいかもしれません。


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