臼半径◯mから広がる「繋がり」のデザイン
2024年を迎え、毎年恒例の餅つき大会&書き初め @ Tagore Harbor Hostelが開催された。(今年のイベントバナーは下記のような感じで制作もしてみました♪)
そもそも餅つきの歴史を調べてみると…
日本には古くから稲作信仰というものがあり、稲は「稲魂」や「穀霊」が宿った神聖なものだと考えられてきたという。なので、稲から採れる米は人々の生命力を高める神聖な食べ物であり、ハレの日に食べるべき縁起の良いものとされてきた背景があるという。
昔から同じように餅をついて人々は新年を祝っていたと思うと感慨深い。。。
毎年地元の方にお借りしている杵や臼などの餅つきセットをもとに今年も開催された。都心だと餅つきセットを借りるだけでお金がかかるけど、街の人が貸してくれる戸田。改めて人の繋がりよって、街の日常が創られていると感じる。
当日は沼津近郊の方、小さい子から大人までが新年早々戸田に集い、餅をついた。
餅をつく!という行為、単純な動きだけど、餅をつく人、返す人、それを見守り、一緒になって「よいしょ!」を声をかける人を見ていると、臼の周りを囲み、一つの空間(場)が育まれていく様子がわかる。昔も、この餅つきという一連の作業をいっしょに行うことで親類や友情の和が深まること、家族の仲がより一層親しくなることを目的として、行われていたのだろう。
「単純にやってみたい!」、「面白そう!」をいう自分自身の内側から出てくる興味関心=内発的動機によって、デザインされていく場は、個々の気持ちをオープンにさせ、人と人が繋がりやすいものとなっていくのだと実感する。
餅つきと同時に書き初めも行った。
書き初めの意味も改めて調べてみるとこんな意味があった。
・書の上達を願うこと
新年早々に、神聖な若水を使って書くことで、神意にあやかり、字が上手になることを祈願する。
※江戸時代には、自宅で書き初めをする場合、年が明けて最初に汲んだ井戸水(=若水:わかみず)を神前に供えたあと、その若水を使って墨をすり、恵方に向かって詩歌を書くというのがスタンダードだったことから。
・一年の抱負を心新たにする
おめでたい言葉や詩歌、または今年一年の目標や抱負を書くことで、行動を新たにするという意味がある。(参考WEBサイトより引用)
実際、参加者の思い思いの言葉がこんなにもたくさん並んだ。
字を教えてもらいながら書く人、じっくり悩んで文字を思考する人、パッと閃いた文字を書き人、それぞれが自由に新年の書を手に取っていた。
書き初めを見ていると、「なんでその文字なの?」、「これ誰が書いたの?」、「なるほど!そんな意味をこめたんだ!」なんて、様々な会話が聞こえてきた。
書き初めを通して、人と人が知り合い、思考や価値観に触れ、混じり合う、そんな流れが生まれていた。
今、まちでも人気な「まちライブラリー」の存在に近い感じ。まちライブラリーも本が触媒となり、人と人とをよい距離感でつないでいる。本を紹介しあう際、「この人、こんな本を読むんだ」と新たな一面を知ることができたりするのが面白い。
参考:
「書」をきっかけに、人と出会う感覚を交換し合う、そんな時間があった。
餅つき&書き初め、一つのイベントに過ぎないかもしれないけど、年初め、こうして人と人がつながるコミュニケーションがデザインされる機会があることで、またこの1年、戸田の日常が面白くなっていくのだろうと感じた1日だった。
ネット時代になり、すぐに情報が集まったり、すぐに人と繋がれる時代、、、
でもだからこそ、こうしてたまたま街で集った人たちとの出会いは尊くて、すごい奇跡的な確率なんだろうなと思う。
臼の半径何メートルかから広がる時間と場の幸せをしっかりと大切にしたいと思った1日でした
(動画も作ってみたのでよかったらみてください♪)
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