肋間神経痛と診断されたけど

「肋間神経痛と診断された」という脇腹の痛みを改善したくて来院なさった女性患者さんのエピソード。

診察してみると、

「あれ、これって肋間神経痛ではないのでは?」
となった症例について書いていきます。

肋間神経痛の原因とは

帯状疱疹後の痛み、胸椎の並びの異常、骨折後の後遺症、などいろいろ挙げられますが、原因不明の胴体の痛み=肋間神経痛という、〝バスケットネーム〟(とりあえずなんでもそう診断名をつけておく)であるケースもあります。

来院までのエピソード

痛みがではじめたのは来院1週間前より。

はじめは右肋骨の下端(季肋部)からはじまり、徐々に上に広がり、左側にも同様に痛みが出てきた。

3日前に呼吸器内科を受診、肋間神経痛と診断され、鎮痛薬を処方されるも効果ない。

胴体を動かす時、呼吸をする時に脇腹が痛むが、呼吸を止めると痛まない。

痛みを緩和してもらいたく来院。

施術

仰向けスタート、まず腹診

右の季肋部の圧痛なし。

左側の季肋部、上腹部、下腹に圧痛あり。
両脇腹に痛みがあるのに、押されて痛むのは左側だけ

…ということで、

うーん、なんか肋間神経痛の痛み方じゃないよね?

「膵臓の反応っぽいな」という経験的なカンが働きました。

そこで膵臓に反射を引き起こす左三陰交(内くるぶしの上方のツボ)を押しながら、同時にに左側記録部をもう一度押すと、圧痛が緩和。

さらに左血海(膝内側の上方)も同様に確認すると、こちらでも左季肋部の圧痛緩和。


こういう反応が出るのは内臓の問題特有のパターンです。


「お仕事柄とか、好きとかでお酒を飲みますか?」

と尋ねたところ、お仕事柄お酒をよく飲むそうですが、痛みが出始めてからはお酒を控えたそうです。

「やっぱり膵臓かな〜」と思われたので、患者さんは最初は痛むところだけの治療希望でしたが、

「肋間神経痛だと基本的に胴体に原因があるので局所治療でいいんですけど、体の反応からして膵臓に原因がありそうなので、全身治療がいいですよ」

とお話をしたところ、全身治療のご希望になりました。

話してわかったその他の症状

✅強い痛みが出て以来食欲もわかず、食べていないのにお腹が張って苦しい
✅アトピーがある
✅たまに不正出血がある
✅肩こりがひどい

この患者様、実はいろんな悩みがありました。

これはもう全身調整のやりがいがありますね!

肝臓、腎臓、膵臓、胃、大腸、肺、子宮、卵巣…こりゃあほとんど全部。

まず、手足のツボを使用

はじめ硬かったお腹は柔らかくなり、患者さん自分で自分のお腹を触って驚いていました。

その時点でだいぶ痛みが緩和しましたが、続いてうつ伏せで肩、背中、腰など血流改善。


それでさらに楽になったようです。

不調が多岐にわたる方こそ鍼灸は強い


この方がもし病院に行くなら、婦人科、消化器内科、整形外科、皮膚科…などと、いろんなところにかからないといけません。

そのような方でも、鍼灸ならまとめて対応できます。

ひとつひとつは大したことがないような不調でも、放置しないできちんと体に向き合うことが大切ですね。

最後まで貴重なエネルギーを使ってお読みいただきありがとうございました。あなたが日々、穏やかに楽しく過ごせますよう、心からお祈りしています(╹◡╹)